「社員が何を欲しているのか」を把握する
一方のYさんは、「やりたいこと」で「やれること」をやろうと独立したものの、それが思っていたように「求められること」すなわち「やるべきこと」にならないことに気が付き、D社からの再就職のオファーに知らず知らずに渇望していた「求められること」を感じ、前向きな自分を取り戻した、そんな流れかと思います。
二人の晴れ晴れとした、希望に満ちた顔を見て、「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」の三要素は、必ずしも起業や新規事業の検討だけでなく、ビジネスパーソンの活性化にも重要な視点であると再認識させられました。
企業という組織活動の中では当然のことながら、全社員の「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」を満たすことはもちろん不可能です。
しかしながら、社員一人ひとりの三要素の状況がどうなっていて、何が一番足りていないのか、何を一番欲しているのか、それらをしっかりと経営者が把握し対応努力をすることは、確実に「働き方改革」実現のヒントになると確信した次第です。(大関暁夫)