春、卒業に入学、入社や転職、人事異動...... 暖かくなって、多くの人が動きはじめたじぇい。新社会人として新しい生活を始める人、そして住まいが変わる人もきっといるはず。
引っ越しシーズン、真っ只中! 刈谷龍太弁護士に、「お引っ越し」での注意点を聞いたじぇい。
「原状回復」って、どこまで元に戻せばいいの?
引っ越し後に、確認したほうがいいことってあるんきゃすか?
賃貸物件に引っ越してから退去まで、居住者は契約に定められた使用目的や法令の許す範囲で自由に建物を使用することができますが、退去をするときには賃貸物件を借りたときの状態に戻して返さなければなりません。これを『原状回復義務』といいます。 この退去時の原状回復義務との関係でよく問題になるのが、借りた当時からあった床や壁の汚れや傷などの修繕費用を請求されるケースです。 こうした汚れや傷は、もともと存在したのであれば汚れや傷のある状態が『原状』というべきですから、その修繕費用を負担しなくてもいいということになります。
そのため、退去時に余計な経済的負担を負わされないためにも、最初の入居時に建物の状態はくまなく見て回り、撮影日のわかる方法で写真に残したり、不動産管理会社や建物のオーナーとも確認を取っておくべきでしょう
一度取り交わした契約書は、後から内容変更できない
引っ越し後に、契約書を再度確認することって大切な気がするんだけど、やっぱり、きちんと確認したほうがいいのかな?
賃貸物件を借りるときに作成する契約書には、さまざまな取り決めが記載されていますが、いずれも場合によっては大きなトラブルに発展しかねない取り決めが多く含まれていますので、実際に契約をする前の段階できちんと内容を確認して、不動産管理会社または建物のオーナーなどに内容を説明してもらうことが肝要です。
また、契約書は一度取り交わしてしまうと後からその内容を変更することはできませんから、引っ越し後に確認しても後の祭りということもあります。契約前から確認しておくべきでしょう。
このように、契約書の根幹に関わる重要な内容については事前に確認しておくことが大事で、引っ越し後に確認しておくことはあまりありません。
その一方で、そこまで重要ではないと思われる事項(楽器の演奏可能な時間帯やゴミの出し方、注意事項など)については、入居後、近隣住人とのトラブルを避けるためにも、いま一度確認しておくべきといえます