政府の旗振りで、長時間労働の改善や副業の許容をはじめとする「働き方改革」が進められるなか、すでに導入されている制度で最も多かったのは、「ノー残業デー」や週40時間を労働時間の上限とする「長時間労働対策」(38.6%)だった。インターネットサービスのBIGLOBEが「働き方改革に関する意識調査」を、2018年3月27日に発表した。
それによると、20代の男女は「長時間労働対策」、40代男性は「副業・兼業の許容導入」を強く希望しているなど、年代によって求める制度の違いが浮き出た。
有給休暇取得の難しさ浮き彫り
調査によると、働き方改革で導入されている制度で最も多かったのは、「長時間労働対策」の38.6%。次いで、育児・介護休暇や時短勤務などの「育児・介護と両立しやすい環境づくり」が37.0%、「フレックス制」が32.1%と続いた。
その一方で、「副業・兼業の許容」の導入率は11.8%で最も低く、「裁量労働制」の導入も17.1%と、低調だった。
また、実施してほしい制度については、90.8%の人が5営業日以上の連続休暇取得などの「休日・休暇取得ルール改善」が1位。有給休暇の連続取得が難しい現状も、浮き彫りとなったほか、年齢や性別によって重視する内容が変わっていることもわかった。
20代男女の90%以上が導入を望んだのは「長時間労働対策」だが、こちらは年代が上がるごとに希望率が下がっていく傾向にあった。
反対に、「副業・兼業の許容」は年代が上がるほど数値も上がり、20代男性では87.6%、30代は89.7%、40代が93.6%と、期待の声が強くなっている。
しかし、50代では80.7%と20代以下の水準まで大幅に下がっているのも特徴的だ。
また、「育児・介護と両立しやすい環境づくり」への期待は、20代女性で96.6%、30代女性で93.5%と全体的に高いものの、50代では女性が94.9%と高い数値である一方、男性は80.0%と大きく下がった。
なお、調査は3月7~9日にインターネットで実施。対象は、1都3県に住む20代から50代までの男女。それぞれの年代ごとに200人ずつの合計800人。