「車いすの天才科学者」と称された宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング博士が76歳の生涯を終えました。
21歳の時に「余命2~3年」と告げられてから半世紀以上、難病と闘いながら生涯を研究に費やしてきた博士は、数々の「警告」も発してきました。イーロン・マスク氏やビル・ゲイツ氏も賛同する、ホーキング氏の、ある「警告」とは?
天才科学者は「AIは人類を滅ぼす可能性がある」と警告
ホーキング博士は生前、AI(人工知能)が人類に与える脅威について警鐘を鳴らし続けてきました。
Stephen Hawking has voiced concerns that AI could eventually replace humanity
(スティーヴン・ホーキング氏は、AIはやがて人類を超える可能性があると警鐘を鳴らしてきた)
※AI:artificial intelligence
voice concern:懸念を表す、警鐘を鳴らす
ホーキング博士は、「AIは、われわれが想像するよりもずっと早く進化を遂げていて、数十年後には人間の知性を超える可能性がある」というメッセージを発し続けていました。
じつはAIについては、あのイーロン・マスク氏やビル・ゲイツ氏も人間以上の知性を持ちはじめる脅威について警鐘を鳴らしています。
イーロン・マスク氏は「AIは第三次世界大戦を引き起こす可能性がある」とまで述べているのです。
ちなみに、「ダヴィンチコード」で有名なベストセラー作家、ダン・ブラウン氏の最新刊は、まさにAIが人間の知性を超える「シンギュラリティ」がテーマ。小説の中では、ホーキング博士が予言したようなシンギュラリティの恐ろしさが生々しく描かれています。
ホーキング博士は、過去にインターネットに関しても懸念を表していました。
Stephen Hawking warned that the internet could become a command center of terrorists.
(スティーヴン・ホーキング氏は、インターネットはテロリストの司令部になりうると警告した)
インタビュー記事を読むと、ホーキング博士はすでに2014年の段階でインターネットがテロリストに悪用される危険性について警告を発していました。
博士は、「インターネット会社はテロリスト対策を講じる必要があるが、自由やプライバシーを犠牲にせざるを得ないため、実際には難しいだろう」と述べています。その後の世界を予言していたかのような発言に、博士の洞察力の深さを感じました。