社長の「ハッピーリタイア」考 必要なのは「自ら変える意識」だ!(大関暁夫)

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2~3年は完全リタイアで好きなことに没頭、その後は......

   なるほど、社長であるが故の打破できない現状の壁が大きく立ちはだかっていて、それがために引退もできず、形式的な承継はできても真の承継はできない。すなわち大病してリタイアを余儀なくされでもしない限り、死ぬまで自らが課した仕事の呪縛から解き放たれることはない、それが世のオーナー経営者の現実なのかもしれません。

   H氏の持論を聞くうちに、先のマスターがこの話と符合するような想定リタイアプランを話していたのを思い出しました。

「今考えているのは、とりあえず2~3年は完全リタイアで店を離れ、好きなことに没頭します。その間はどんなに気になっても店には一切に顔を出さず、運営に口も出さず、です。この間に仕事を忘れてやりたかったことに没頭すると同時に、店における経営者としての存在感も薄めるわけです。で、2~3年したら、今度は一外部スタッフとして店を週2~3日だけ調理指導かなにかで日中だけ手伝いながら、それ以外の時間では好きなことも続けるというバランスのとれた生活にもっていけたらなと、それが理想です」

   一般の中小企業の社長が、このマスターのやり方と同じようなリタイアプランを実行できるかと言えば、多々難しい部分もありそうですが、「社長の働き方改革=ハッピーリタイア」を望む経営者方のヒントにはなりそうな気がしました。

   同時に社長の「働き方改革」は、多くの中小企業が頭を痛めているスムーズな事業承継のカギを握っているようにも思います。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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