「史上最高のお金持ち」を支える経営方針は?
押しも押されぬ「史上最高のお金持ち」となったベゾス氏は、Amazon.comのCEOを務めるほか、2020年に宇宙開発のブルーオリジン社を設立。13年にはワシントンポスト紙を買収するなど多方面でビジネスを展開しています。
ベゾス氏は、1万年にわたって時を刻む「1万年時計」プロジェクトにも資金提供をしていますが、最近、米国テキサス州山間部の建設動画を公開して話題になりました。 「1万年時計」は年や世紀を刻む時計で、長針は100年をかけて、ひと周りするそうです。この「気の長い」企画が、ベゾス氏の経営方針を象徴しているとされています。
そこで、〈今週のニュースな英語〉はコレ!
We're likely to need more long‐term thinking.
(われわれには、より長期的な思考が必要のようだ)
ベゾス氏は、経営において長期的視点を重要視しているといわれています。 「1万年時計」についても、自身のツイッターで
「a symbol for long‐term thinking」
(長期的思考の象徴)
と、アピールしています。
短期的な利益にばかり目を向けていると、長期的なチャンスを逃してしまう。厳しい時もガマン強く長期的な視点で物事を判断しよう、ということでしょうか。 実際、収入の多くを投資につぎ込む経営姿勢に苛立つ投資家に対して、「長期的視点で見守ってほしい」と訴えたこともありました。
では、今回は、「今週のニュースな英語」の中から「long‐term」(長期的)を使った言い回しを学びましょう。
まずは、ベゾス氏のことばをもっとシンプルにした表現です。
We need long‐term thinking.
(われわれには長期的視点が必要だ)
これは、あらゆるビジネスの場面で使えそうです。会議で提言をする時や、取引先の提案に難色を示す時、部下にアドバイスをする時などで使ってみてください。
下記のような「long‐term」を使ったビジネス英語はそのまま覚えておきましょう。
long‐term absence(長期休暇)
long‐term agreement(長期契約)
long‐term benefit(長期的な利益)
long‐term approach(息の長い取り組み)
long‐term treatment(長期治療)のように、医療関連でもよく使われます。
じっくりとガマン強く、息の長い視点でビジネスをとらえて投資家や株主からのプレッシャーに負けない。シンプルに見えて、よほど肝が据わった経営者にしかできないことです。ベゾス氏が「史上最高のお金持ち」となったゆえんでしょうか。
ベゾス氏のことですから、きっと資産も長期的視点で形成していることでしょう。いったい、どれだけお金持ちになっていくのか...... ケタが違いすぎて感覚がマヒしそうです(笑)。(井津川倫子)