ネットニュースと新聞記者の対応に違いがある?
こうなると、もう手に負えない。「炎上ネタ」を暴露された大手メーカーの公式ホームページにメールが殺到してくる。
まとめ記事の増加や、消費者からの問い合わせにどう行動したらよいか――。第3ステージの質問に、記者は「投稿が事実に反しているなら、顧問弁護士を通じてグーグルやツイッターに削除要求をします」と答えた。
「もし事実なら、どうしますか?」と別井さん。
「う~ん。会社のホームページに謝罪文や、再発防止の説明文を出すでしょうね。社長の記者会見をすぐに開いたほうがいいかもしれません」
「そのとおり。問題が起こってから1日以内に原因の分析や再発防止策を提示できないと、大変なことになります。実際の炎上時は、前日の晩からネット上では大騒ぎ。翌日出社した広報担当者が青ざめることになります。そして、やっと15時頃に緊急役員会が開かれて対応を協議しますが、その頃にはメディアがニュースをバンバン流している事態になります」と、別井さんは説明した。
さらに、第4ステージの「報道」に進む。最初に駆けつけるのはネットニュースだ。「現在、ツイッターで御社についてネガティブな反応が拡散しています。原因となった投稿は御社の社員と思われますが、どうですか。投稿内容は事実ですか。見解文や謝罪文を出す予定はありますか」と、矢継ぎ早に聞かれる。
しばらくすると、大手新聞社が「大手メーカー、個人情報漏洩で従業員解雇 会社への不満からツイッターに氏名入り残業時間リスト投稿」の見出しで報じた。新聞やテレビなど伝統メディアの登場で、「炎上」は最高潮に達することに。
別井さんは、「ネットニュースから取材が入った時と、新聞記者から取材が入った時の注意点は何かご存知ですか?」と聞く。これが第4ステージの質問だ。
ん、ん、どういうことか?
別井さんはこう続ける。
「じつはネットニュースからの問い合わせは、ネットだから会社のホームページを作成する部門が対応すればよいと考えている企業が意外に多いのです。いずれも、広報部門がきちんと対応して情報を早く開示することが大切です」