食品小売業者の倒産、2017年は4年ぶり増加

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   2017年の食品小売業者の倒産が前16年比20.3%増の314件となり、4年ぶりに増加した。帝国データバンクが2018年3月8日に発表した。

   負債規模では、「1000万円~5000万円未満」の小規模倒産が16年と比べて20.3%増の213件で、過去10年で最多となった。一方、17年の負債総額は前16年比3.9%増の275億700万円で、過去10年で見ると2番目に少ない水準だった。

  • 食品小売業者の倒産、食肉、乾物、牛乳を除く12業種で増加
    食品小売業者の倒産、食肉、乾物、牛乳を除く12業種で増加
  • 食品小売業者の倒産、食肉、乾物、牛乳を除く12業種で増加

好調時の店舗展開が裏目になったケースも

   2017年の食品小売業者の倒産件数を業種別にみると、15業種のうち、食肉小売業や乾物小売業、牛乳小売業を除く12業種で、前年を上回った。帝国データバンク東京支社情報部の担当者は2018年3月12日のJ‐CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に、「今回の増加について、はっきりとした理由は不明です。ただ、16年の倒産件数がここ10年で最低の261件だったこともあり、倒産件数の減少が底を打って上昇し、例年並みの水準に戻ったとみています」と語る。

   加えて、「小売業者の経営が好調な時期に店舗展開を図り、借り入れなどが膨らんで返済が難しくなるケースもあります。場合によっては金利の返済すら難しい業者もあり、返済が滞ったりした結果、銀行側も返済の猶予をせず、倒産に至るケースが目立ちました」と説明した。

    また、小規模倒産が最多となった点について担当者は、「中小業者の規模が小さいことから競争力で劣り、規模の拡大を待たずに倒産してしまうことが背景のひとつにあります。法的整理ではなく、債権者との協議を行う私的整理などの手段も用いて倒産するケースもありました」と述べた。

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