【震災7年 明日への一歩】あれから84か月 企業倒産は全国で1857件に

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震災関連倒産 2013年以降は飲食業や宿泊業多く

   宮城県の地方銀行、七十七銀行は「県内企業における震災からの復旧・復興に関する調査」(経済月報2月号)で、製造業の生産水準を震災前後で比較。震災前と比べた足元の生産水準は、「80%以上~100%未満」の回復が41.7%と最も多く、次いで「100%以上~120%未満」が30.3%となった。

宮城県の製造業の生産水準、約5割が震災前を上回る(画像はイメージ)
宮城県の製造業の生産水準、約5割が震災前を上回る(画像はイメージ)

   震災前の生産水準を上回った企業の割合をみると4~5割程度で、足元では窯業・土石や一般・輸送機械などが5割を超える一方、食料品が3割程度にとどまっている。

   また、非製造業では、震災前と比べた足元の売上高の水準が「100%以上~120%未満」が37.0%と最多。次いで「80%以上~100%未満」が29.5%となった。震災前の売上高水準を上回った企業の割合は5割程度。足元では卸売業や建設業が6割を超えているものの、まだ「復活」とは言い難い。

   東京商工リサーチによると、2011年3月から2018年2月までの84か月に、震災関連で倒産した企業の件数は全国で累計1857件(2月28日現在)に達した。

   震災関連倒産を暦年別でみると、2011年が544件、12年は前年比9.9%減の490件だった。13年は32.0%減の333件、14年は47.4%減の175件と大きく減った。その後も、15年141件(前年比19.4%減)、16年97件(31.2%減)、17年71件(26.8%減)で推移した。2017年は震災時(11年)の7分の1以下に減少。しかし、月平均では5.9件ペースで推移している。震災の影響をいまだに引きずっている企業が少なくないようだ。

   産業別では、宿泊業、飲食店などを含む「サービス業他」が492件で最多。なかでも、ホテル・旅館などの「宿泊業」は112件にのぼった。「飲食店」も93件あった。次いで「製造業」が422件、「卸売業」が342件で、いずれも飲食料品を取り扱う企業が多かった。「建設業」が222件、「小売業」が174件と続く。

   年別でみると、震災直後の2011年と2012年は、サプライチェーンの寸断や工場被災などを背景に「製造業」が最も多かったが、2013年以降は、飲食業や宿泊業などを含む「サービス業他」の割合が高くなった。

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