チャンス到来である。2018年2月5日の東京株式市場は、2日の米ダウ工業株30種平均が2.5%安となったことをきっかけとした世界同時株安を受けて、大幅な下落で始まった。
そこで、17年7月に買い損ねたナブテスコ株に再度アタックを試みた。
念願のナブテスコ株、指値4500円でバッチリ!
ナブテスコ株は2月5日の朝イチから急落。前日終値の5130円から、630円安の4500円の指値で100株の買いを入れた。しかし、この日の安値は4915円止まりで買えなかった。
翌6日も株価の下落を見込んで、同じ条件で買いを入れたところ、午後になって商いが成立。この日の安値は4480円、終値は少し戻して4675円だった。今回の指値4500円は、バッチリだった。
買値を4500円に設定した理由は、26週移動平均線(26週、この半年間の株価の平均を折れ線グラフで表したもので、株価のトレンドをつかむのに利用する)が、4500円辺りにあったため。瞬間風速でここまで下げる可能性があると踏んだことと、昨年7月に「買おう」と検討したときの株価(4220円)を考慮したうえでの指値であった。
とはいえ、手元に潤沢に資金があるワケではない。買うには手持ちの株を売らねばならない時もある。今回のナブテスコ株の購入代金は、2月2日に売却した三井物産売却分(売却益6万円弱)と、ディフェンシブ銘柄であるアステラス株(損益ゼロ)を2月6日に売却して手当した。
2日の東京株式市場が大幅安の中で、三井物産は引け後の発表予定の好決算(2017年4~12月期)と自社株買いの思惑で、引け前に高値をつけていた。そこで400株ある三井物産株を300株残し、2030円で100株だけ売却。利益は実質6万円弱となった。
このところの株式市場は値動きが荒くなっていて、何らかのきっかけで大幅な下げが発生してもおかしくない状況だった。そこで、とりあえず三井物産株を売却。現金化しておいたのだが、今になってみるとこの売却はちょうどよいタイミングだったようだ。
アステラス株は景気の影響を受けにくく、業績が安定していて、株価の下落局面では比較的値持ちがよい、ディフェンシブ銘柄の特徴がある。ふだんは配当狙いで保有。今回のような局面に売却してもいいように購入していた銘柄だ。
株式市場の、地合いの悪さを反映して2月9日に発表されたナブテスコの2017年決算(1~12月期)の内容は、売上高2824億2200万円、最終利益265億6900万円と、事前の市場予想を若干上回る内容のほぼ予測どおりだったが、この日の終値は225円安の4620円と下げていた。
まだまだ下がる? 準備整えねば......
週明けの2月13日の東京株式市場は、先週末(9日)の米ニューヨーク市場の株高を反映して、日経平均株価は高値で始まったものの、終値は137円64銭安の2万1244円68銭の安値引け。産業用ロボットのダイフクも好決算ながら売りに押されて下げたほか、産業用ロボット向けの精密減速機で世界シェア6割を占めるナブテスコも、さらに下げていた。
翌14日付の日本経済新聞は前日のロボット関連株の状況を、マーケット・コラム 「スクランブル」で、「ロボ株安 慢心のツケ」の見出しで論評。ロボット関連株が下げに転じたことに、「投資信託などからの活発な資金流入による過熱感に加え、受注の減速懸念も浮上し始めたからだ。高成長が続くとの楽観的な見通しから人気を集めたロボット関連株。そこに透ける『慢心』こそが、株式相場が突如変調した大きな要因だ」としていた。
そのうえで、「『ロボット化・自動化』というわかりやすいテーマに飛びつく投資家は多く、投信の資金が大量に流入した」と、過熱ぶりを分析。ナブテスコ株も、「18年12月期の連結純利益予想は2%増にとどまり、『物足りない』として一時7%安まで売られた」と記している。
ナブテスコ株の投資信託の保有率は38.3%で、東証一部の平均(約12%)を大きく上回っているようだ。今後投信による利益確定の売りは、想定しておく必要がある。
しかし、中長期的には有望な分野と考えているので、大幅安があれば、予想PER(株価収益率)18倍の3726円をメドに、さらに「買い」を入れたいと考えている。ちなみに現在の予想PERは、22.5倍になっている。
その準備として、利益の出ている日揮株100株(残り100株)を2300円で売却。約4万円の利益を得て下落局面に対応できるようにしたところだ。(石井治彦)
2018年3月2日現在 100株保有 平均取得単価4539円11銭
昨年来高値 2018/01/23 5450円
昨年来安値 2017/01/04 2705円
直近 終値 2018/03/02 4325円