「もぐもぐタイム」で食べやすくカットされたフルーツ
本番のオリンピックで本橋選手のしたことは、練習後のリンクに残り、試合で使うストーンの一つひとつを自ら投げてストーンごとの滑りの違いを確認し、どの選手にどのストーンを投げさせるかを決めたり、あるいは氷の状態を確認して温度によるストーンスピードの変化などを記録・分析して、試合前の選手に適切かつ実践的なアドバイスをしたり。さらにはテレビ中継で「もぐもぐタイム」として話題になった、ハーフタイムでの選手たちの栄養補給に食べやすくカットしたフルーツを用意したのも彼女の仕事といいます。
まさに、裏方に徹したリーダーシップの形をそこに見ることができるのです。
地域根ざしたスポーツ起業を志し、経営者自らが地元の子供たち向けのカーリング教室を主催する等積極的な地域密着を心がけ、地域活性化に向けた活動に取り組む。そして、それはまた地域企業からの支援の引き出しにもつなげ、真に地域に根ざしたチームを確立させる。
また自らは、若い働き手たちに活躍の場を預け、あくまでチームを見わたす立場に立つ管理者に徹する。そうでありながらも裏方的な仕事にも積極的に手を染め、現場最優先の考えを基本に、真の頼れるリーダー役を演じる姿は、近年新たなリーダーのあり方をして注目を集める、サーバント・リーダーシップの実践そのものであると思わされました。