真に頼れるリーダーのお手本 裏方に徹したカーリング・本橋選手の凄腕(大関暁夫)

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「もぐもぐタイム」で食べやすくカットされたフルーツ

   本番のオリンピックで本橋選手のしたことは、練習後のリンクに残り、試合で使うストーンの一つひとつを自ら投げてストーンごとの滑りの違いを確認し、どの選手にどのストーンを投げさせるかを決めたり、あるいは氷の状態を確認して温度によるストーンスピードの変化などを記録・分析して、試合前の選手に適切かつ実践的なアドバイスをしたり。さらにはテレビ中継で「もぐもぐタイム」として話題になった、ハーフタイムでの選手たちの栄養補給に食べやすくカットしたフルーツを用意したのも彼女の仕事といいます。

   まさに、裏方に徹したリーダーシップの形をそこに見ることができるのです。

   地域根ざしたスポーツ起業を志し、経営者自らが地元の子供たち向けのカーリング教室を主催する等積極的な地域密着を心がけ、地域活性化に向けた活動に取り組む。そして、それはまた地域企業からの支援の引き出しにもつなげ、真に地域に根ざしたチームを確立させる。

   また自らは、若い働き手たちに活躍の場を預け、あくまでチームを見わたす立場に立つ管理者に徹する。そうでありながらも裏方的な仕事にも積極的に手を染め、現場最優先の考えを基本に、真の頼れるリーダー役を演じる姿は、近年新たなリーダーのあり方をして注目を集める、サーバント・リーダーシップの実践そのものであると思わされました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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