コミックスの売り上げ、電子版が紙を上回る 2017年

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   2017年の電子コミックス(漫画単行本)の推定販売金額が、初めて紙のコミックスの売り上げを上回った。全国出版協会・出版科学研究所が2018年2月26日に発表した。紙49.3に対して電子版が50.7の比率だった。

   紙と電子を合算したコミックスの市場規模は、前年比0.9%減の3377億円とわずかに減少した。

  • コミックス市場、電子版が紙を上回る
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紙のコミックス14.4%減 過去最大の落ち込み

   出版科学研究所によると、紙のコミック全体(コミックス+コミック誌)の推定販売金額は、前年比12.8%減の2583 億円となり、16年連続のマイナスだった。統計開始以来、初めての2ケタ減。

   内訳は、コミックスが14.4%減の1666億円、コミック誌が9.7%減の917億円。コミックスは過去最大の落ち込みで、これまで市場を支えてきたビッグタイトルの完結や部数規模の縮小、またこれに替わる新たなヒット作が出ていないこと、読者の紙から電子版へのシフトによって、大幅な減少となった。

   コミック誌も、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(2016年に完結)の週刊少年ジャンプ(集英社)や、17年も「FAIRY TAIL」の週刊少年マガジン(講談社)や「マギ」の週刊少年サンデー(小学館)などで代表作が完結したことが響いたとみられる。

   その一方で、電子版は成長が続いた。電子コミック市場(電子コミックス+電子コミック誌)の推定販売金額は、前年比17.2%増の1747億円だった。

   内訳は、電子コミックスが17.2%増の1711億円、電子コミック誌は16.1%増の36億円。電子コミックスは無料や値引きなどのキャンペーンで、完結した過去の作品を中心に売れ行きが好調。ただ、違法の海賊版サイトの影響が少なからずあり、伸び悩んでいる。

   また、電子コミック誌は市場規模が小さく、紙のコミック誌の5%にも満たないため、紙の落ち込みを補うほどには至ってないとしている。

   なお、紙と電子版を合わせたコミック市場全体の規模は、前年比2.8%減の4330億円だった。

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