ビジネスで使える! スケート女子「復活」支えた外国人コーチならではの指導法(大関暁夫)

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効果テキメン 外資系コンサルティングの手法

   私が彼をO社長に紹介すると、彼は自信満々に、こう言いました。

   「私が実地に調べてきた、業種を問わぬ優秀な営業マンたちの行動を分析した有効な活動情報に関するデータがあります。当社の営業マンの行動実態を調査し、まずは一人ひとりの行動をその優秀な営業マンたちの数値と比較し、劣っている項目を徹底的に改善指導することです。そうすれば、結果として営業実績は必ず上がります」

   そのやり方の一例をあげれば、彼のデータベースでは営業実績の向上に資する有効なデータは、日々の訪問件数ではなく面談時間であるとし、1日あたり最低180分以上の面談時間を実現すること、を指導します。

   もし、それが実現できない場合は、その理由を明確にして、支障になっている余計な仕事を排除するなどの支援策を講じてでも実現させるのです。

   この方法は効果テキメンでした。それまで全営業マンの約1割しか目標達成者がいなかったのですが、半年後には半数弱の営業マンが目標を達成するに至ったのです。

   流通業などで使われている、さまざまな工程を他社データとの比較で自社の改善をしていくバリューチェーンという考え方も、これを同じような手法になります。

   これもまた外資系コンサルティング会社が考えた手法です。日本人には、成功者のデータを元にして論理的に自己の改善のつなげるという考え方は馴染みが薄いのかもしれませんが、外国人コーチ指導の下での女子スピード・スケートの選手たちの「復活」的活躍を見るに、この手法から学ぶべきものは多いような気がします。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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