効果テキメン 外資系コンサルティングの手法
私が彼をO社長に紹介すると、彼は自信満々に、こう言いました。
「私が実地に調べてきた、業種を問わぬ優秀な営業マンたちの行動を分析した有効な活動情報に関するデータがあります。当社の営業マンの行動実態を調査し、まずは一人ひとりの行動をその優秀な営業マンたちの数値と比較し、劣っている項目を徹底的に改善指導することです。そうすれば、結果として営業実績は必ず上がります」
そのやり方の一例をあげれば、彼のデータベースでは営業実績の向上に資する有効なデータは、日々の訪問件数ではなく面談時間であるとし、1日あたり最低180分以上の面談時間を実現すること、を指導します。
もし、それが実現できない場合は、その理由を明確にして、支障になっている余計な仕事を排除するなどの支援策を講じてでも実現させるのです。
この方法は効果テキメンでした。それまで全営業マンの約1割しか目標達成者がいなかったのですが、半年後には半数弱の営業マンが目標を達成するに至ったのです。
流通業などで使われている、さまざまな工程を他社データとの比較で自社の改善をしていくバリューチェーンという考え方も、これを同じような手法になります。
これもまた外資系コンサルティング会社が考えた手法です。日本人には、成功者のデータを元にして論理的に自己の改善のつなげるという考え方は馴染みが薄いのかもしれませんが、外国人コーチ指導の下での女子スピード・スケートの選手たちの「復活」的活躍を見るに、この手法から学ぶべきものは多いような気がします。(大関暁夫)