米ニューヨーク外国為替市場の円相場は2018年2月16日、前日17時と比べて20銭ほどの円安ドル高の1ドル106円30銭近辺で推移した。米国債利回りの上昇や米連邦準備制度理事会(FRB)が数か月内に利上げするとの観測が強まるなど、アナリストらがドル高とみなす材料が少なくないにもかかわらず、ドル円相場は一時105円半ばまで円が買われた。
米財政赤字の拡大に対する警戒感が浮上したことや1月の米小売り売上高などの一部の経済指標が市場予想を下回ったことがドル売り材料となった、とされる。
東京でも円高105円台
東京外国為替市場の円相場も、円高ドル安が進展。2月16日、一時1ドル105円台半ばをつけた。2016年11月以来、約1年3か月ぶりの円高ドル安水準。この日は政府が日銀総裁人事について、黒田東彦総裁の続投を示すなどの動きがあったものの、「想定内」(市場関係者)で、円高傾向に歯止めがかからなかった。
同日17時時点で、15日と比べて35銭円高ドル安の1ドル106円01~02銭だった。
そうしたなか、FX投資家はドル売りの広がりに首を傾げている。米国経済の力強い成長がドル相場を支えるはずとの「読み」がはずれているからだが、意識されたのは、膨らむ米国の財政赤字と経常赤字。ドルは2011年から16年にかけて大幅に上昇していたため、その勢いを失っただけとの見方もある。
いずれにしても、ドルの軟調な展開はしばらく続きそうとの見方が支配的だ。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は自身のツイッターに、
「財政悪化懸念でドル安ですか? うーん・・・ 対ユーロならともかく、対円でそれを言うか!?という気がします」
と書き込んだ。
また、2月16日には
「【個人投資家は押し目買いを継続中】外為どっとコムのお客様のドル円最新(2月15日終了時)ポジションはロング82%、ショート18%。残高(枚数)は公表を控えますが、積み上がったロングは集計開始(2012年3月)以来最大となっています」
と綴った。これには、
「今、去年1年のドル円ロング勢はすべて含み損状態w 押し目買い(上昇トレンドのとき一時的に下げ止まった地点で買いを入れる手法)多すぎですね」
との声が寄せられている。
円高ドル安で、株式相場も急落。FX投資家ならずとも目が離せない状況が続きそうだ。