いつの時代も「若者と話があわない」というオジサン世代は少なくない。
ところが、女性のための匿名掲示板「ガールズちゃんねる」に「新入社員にびっくりしたことPART2」(2018年2月8日付)というトピックが立てられ、なかには実話とは信じがたいエピソードが投稿されている。ざっと紹介すると......
「封お願いね」で、息をフーッって?
「先輩に逆ギレ」「タメ口」なんて、かわいいものかも。
「トイレ長いな... と思ったらトイレでスマホゲームをしてました」
「『御中』って何?と聞かれました」
「もらった名刺をその場で写メ」
「お客様へ持参するお菓子を買ってくるように頼んだら、ポテチとかチョコを大量に買ってきた子がいた」
「郵便物をつくって『封お願いね』と頼んだら、息をフーッて吹きかけた人がいた」
「入社3日目くらいで社内一のイケメンに惚れたのか、仕事がおろそかになってる子がいた。1か月もしないうちに告白して、フラれて辞めていった」
などと、にわかに信じられない、開いた口がふさがらないような話がザクザク。オジサンでなくても、「最近の新入社員は......」と顔をしかめたくなる。
「ミレニアルズ社員」とは、いったい何者なのか――。
「ミレニアルズ」と呼ばれる若者は、一般に1980年代から2000年初めごろに生まれた世代で、幼少時からインターネットが身近に存在し、スマートフォンを自在に操る。やりたいことを強みとして伸ばす教育で成長してきた世代で、これまでの世代の嗜好とは大きく違うとされる。
ゆるい繋がりを好み、物欲や所有欲がなく、利用したい時だけ利用する、「シェアリング」(共有)の意識が強い。仕事に対しても責任感や協調性が希薄で出世欲もないとされる。「ゆとり」「さとり」と呼ばれる世代と同じ若者層のようだ。
「叱られた経験なし」「我慢しない」に、どう接する?
人手不足が続き、「超売り手市場」といわれた2018年の大学生の就職内定率は94.8%(17年12月1日時点)。この春、「ミレニアルズ世代」が入社する。
そんな彼らは、「叱られる」「我慢」といった困難な経験や自分で工夫したり「創造」したりする、発展的な経験が少ないことが、リクルートマネジメントソリューションズの調査で明らかになっている。
たとえば、「我慢」の経験について聞いた「給食を残すと、休み時間を使って最後まで食べさせられる」という質問に、先輩や上司などの育成者世代は5割強が「経験がある」と答えたが、新人・若手世代は4割強。「叱られた経験がある」と答えた人は、育成者世代が6割なのに対し、新人・若手世代は4割強だった。
おもちゃやゲームがなく自分たちで新しい遊びをつくって遊ぶ「創造の経験がある」人は、育成者世代では7割に達したものの、新人・若手は5割弱にとどまった。
「ミレニアルズ世代」が、我慢したり失敗したりして叱られながら学ぶ経験が減り、自分で考え工夫することや不確実な状況に対処する力を養う機会が少なくなっていることがうかがえる。
とはいえ、新入社員に対する接し方については、こんな声が。
「意外に中年の上司が厄介だったりする。若い人は素直だからね......」
「ビジネスマナーを知らない人に、『なんで知らないわけ?』と怒るよりも、 ふつうに、こういう時は『御中』を使ってねと、ひと言教えてあげればいいだけの話だと思う」
「完璧に教えなくても自分より物知りで、 最初から自分より仕事ができちゃうような新入社員がいたら、それはそれで可愛げないとか思うんだよ、どうせ」
さまざまな声が渦巻くトピックには、
「ギスギスしすぎてて、社会の縮図を見ているようだ」
という声もあった。(KM)