飲食店が立ち上がった! 相次ぐ「ドタキャン被害」に常習者の電話番号をブラックリスト化

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大事な接待で4つの店を同時予約する超一流企業の社員

   J-CAST会社ウォッチ編集部は2018年2月15日、全日本飲食店協会理事長を務めている「洋食グリル天平」(兵庫県姫路市)のオーナー関良祐さんを取材した。

――今回の「ドタキャン防止システム」のアイデアはどこから生まれたのですか?

   関良祐さん「飲食店協会のメンバーが集まった時に『ドタキャン何とかしたいね』といつも話題になります。被害にあっている店はかなり多いです。予約客には前金制をとるといいのですが、それができない店が多い。過去にドタキャンをした要注意人物の、いわば『ブラックリストをつくろう』というのが出発点です」

全日本飲食店協会理事長で「洋食グリル天平」の関良祐さん
全日本飲食店協会理事長で「洋食グリル天平」の関良祐さん

――ドタキャンを何度も繰り返す人物がいるということですか。

   さん「はい。ある超一流企業の人が、私が飲食店主だと知らずに話したのですが、接待でどうしても大事な商談を成立させたい時は、いくつもの店の予約をとっておくそうです。中華、フレンチ、イタリアン、和食...... と。相手のさりげない会話でイタリアンが好みとわかると、ほかの店はドタキャンする。時間に余裕があれば店に連絡を入れますが、たいてい知らん顔だそうです。その人は頻繁にドタキャンしていますね」

――それはひどい話ですね。

   さん「若い人たちは居酒屋で同じようなことをしますし、ケーキ屋さんでもドタキャンがあります。若い男性が彼女の誕生日にバースデーケーキをいくつかの店に予約する。そして、彼女の好みがチーズケーキだとわかると、イチゴケーキの店はドタキャンするらしいです」

――バースデーケーキだと、名前や日にちが入るので、すべて無駄になりますね。

   さん「ドタキャンの被害はどの店でも深刻です。フランス料理店は仕込みに2~3日かかる料理が多く、予約が入ってから仕込みをするので、ドタキャンされると本当に悲しくなります。寿司店でもコース料理は特別な食材を使いますから単品では売れないため、すべてロスになります。回転寿司店でも持ち帰りの予約を受け、忙しい最中に時間とスタッフをやりくりして、ほかのお客様を待たせてつくったのに...... と悔しい思いをします」

――被害に遭った店が、相手にキャンセル料をとったり、損害補償を要求したりした例はないのですか。

   さん「ありません。みんな個人事業者ですから、裁判などに時間やカネをかける余裕はありません。本当に泣き寝入りです」

――過去にドタキャンをした人の電話番号を登録し、ブラックリストをつくるということですが、個人情報保護法にひっかかる問題はありませんか。

   さん「私たちがデータを収集して会員に提供するのは、ドタキャン歴のある電話番号とドタキャンがあった日時、それと予約人数だけです。消費生活センターの弁護士に問い合わせましたが、これだと個人が特定されないので個人情報保護法に抵触しないということでした」

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