人材確保に悩み、法改正に対応遅れ......
人材派遣を営む中小事業者にとって、もう一つの難関が法改正への対応だ。改正労働者派遣法は2015年に施行され、経過措置期間が終了する18年9月29日までに、事務所の最低面積や基準資産額(資産の総額から負債の総額を控除した金額)や現預金額などの資産要件をクリアしなければ、事業が継続できなくなる。
こうした資産要件の達成が、競争力が劣勢で、業績改善が進まない中小事業者には「重荷」となっている。
一方、改正労働者契約法では労働契約が更新されて通算5年を超えた場合、無期労働契約に転換できる「無期転換ルール」を定めている。2018年はその適用がはじまるが、これらを踏まえ、多くの企業が人材派遣からアウトソーシングサービスへの切り替えを進めていることもある。
人材派遣業の倒産が増えているのは、小規模事業者ほど、こうした変化への対応や派遣労働者の確保が難しくなっているため、とみられる。