米ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均の急落で世界同時株安に見舞われた2018年2月5日以降、東京株式市場では9日の日経平均株価が、前々週の2日と比べて1891円91銭(8.1%)も下落するなど、この1週間で市場の気配が一変した。
その一方、9日は国内の上場企業の18年3月期第3四半期(4~12月期)決算の発表がピークを迎えた。業績は好調で、過去最高を更新する見通しという。
企業業績は過去最高益の見通し
2月9日の米ニューヨーク株式市場は、ダウ工業株30種平均が3日ぶりに反発。前日比330.44ドル値上がりし、2万4190.90ドルで引けた。前日に1000ドル超も急落した流れを受けて、ダウ平均は一時、前日比500ドル安まで下落したが、その後は買い戻しの動きが強まった。
米ダウ平均は2月5日週に1300ドル下落。好調な「トランプ相場」から、景気の過熱やインフレ加速への懸念が高まり、長期金利が急上昇したことがきっかけ。9日はやや値を戻したが、長期金利上昇への警戒感がくすぶっており、しばらくは荒い値動きが続きそうとの見方が支配的だ。
2018年に入ってからも、2万5000ドル、さらには2万6000ドルを突破。市場関係者からは「割高感があった」との指摘もあった。
一方、2月2日(終値)に2万3274円53銭あった日経平均株価は、米国株の急落を受けて、5日に2万2682円08銭に急落。9日には前日比508円24銭安の2万1382円62銭に値下がりした。前週に1891円もの下落で、これはリーマンショック後の2008年10月以来の大きさだ。
ただ、こうした状況にも個人投資家は比較的落ち着いているようだ。インターネットの掲示板などをみると中には、
「上がっても下がってもジェットコースターみたいで大きすぎてついてけない。見てるしかない」
「雰囲気的には底打ち感がでてきたのかもな」
と、お手上げの人もいるようだが、
「まあ米国株は過熱感が強かったからな、当然かも」
「日本株はまだいいんじゃない。企業の業績は悪くないし、平均株価はあくまでも平均。日本企業はそんなに弱くないと思う」
「油断はできないけど。上がる余地は米国よりも大きいんじゃないかな」
といった声もみられる。
そうしたなか、SMBC日興証券が2月8日までに2018年3月期第3四半期決算の発表を終えた上場企業1005社(3月期決算企業の76.3%、金融を除く)を調べたところ、売上高は前年同期比8.7%増、純利益も32.3%増えた。純利益は過去最高となる見通しという。