その40 ペットの衣装 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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犬や猫の「尊厳」を冒している

   しかし、今や、警察犬や盲導犬などちゃんとした職業を持つ連中を除き、ペットなぞと呼ばれる犬や猫は、もっぱら可愛がられるだけの存在になってしまった。人間がそのように仕向けたのである。

   ペット用の衣装・衣服などを売っている店をのぞいてみた。シャツ類は1枚が2000円から3000円、4000円、5000円。「ユニクロ」などで僕が買っているシャツ類の2倍以上はする。ペットを入れてかつぐリュックは1万円。バギーは3万円、4万円、5万円もする。

   こんなものをペットに着せたりして、飼い主はさぞかし満足なのだろう。自分はペットをこんなにも可愛がっているんだ。なんて優しい人間なのだろう。そう思っているみたいでもある。

   だが、実際のところは、飼い主が自分勝手な趣味をペットに押しつけ、おもちゃにしているように思える。そして、かつてはあった犬や猫の「尊厳」を冒しているのではないだろうか。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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