じつは先日、講演のため、東京都内のある中高一貫校を訪ね、そこで主に中学2年生の皆さんに議論してもらったのですが、出てきた答えは想像をはるかに超えるすばらしいものでした。
たとえば、「AIが進出してきて、今後人間の仕事を脅かすかもしれないがそれについて、ワクワクする? 不安に思う? どっち?」と議論してもらいました。すると......
人はわからない世界だと、「不安半分、ワクワク半分」
生徒からの答えは、「不安半分、ワクワクが半分」ということでした。
その理由を聞くと、「AIが出てくる世界がどうなるか、まったくわからない。わからない世界では、人は不安が半分、ワクワクが半分なんです」という回答でした。
正直、この答えには驚きました。こんな答えは、大人でも簡単には出てこないと思いますよ。立派な答えだと思いました。
立命館アジア太平洋大学(APU)の学長という、未知の世界へのチャレンジを控えて、まさに僕自身の心境も「心配半分、ワクワク半分」なのです。ひと言でいえばゾクゾクしています。
また、「チャレンジって何ですか?」と聞くと、「やりたいことを辞めないことです」とハッキリ答え、さらに将来の目標を聞くと、「起業して社長になること」と語ってくれた女子生徒もいました。
僕を含めて、同行した大人たちは、生徒たちのこうした答えに感心することしきりでした。
この学校では、ディスカッションや議論の時間をたくさん取り入れていて、校長先生を筆頭に、先生方はひたすら生徒たちの考える力を伸ばしていくことに注力しているとのことでしたので、教え方によって子どもの可能性は無限なのだということを改めて実感しました。