サラリーマンが見習うべき「プロ意識」! 自主トレにみる社員教育のヒント(大関暁夫)

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「自主トレ」は後輩が先輩から技術や刺激を受ける機会

「近年自主トレは、ほとんどの場合合同自主トレと言って、先輩が後輩を誘って何人かで一緒に泊まり込みでトレーニングをするのです。自主トレに監督やコーチは一切ノータッチですから、選手間の絆も強くなりますし、若手は先輩から技術的なことを教わったりさまざまな刺激を受けたりして成長の糧になるのです。この自主トレがじつは、チームワークづくりや先々にわたるチームの伝統づくりに活きてくるのです」

   ここまで聞いて私が思ったのは、確かにプロ野球選手はチームに属しているとは言え、何の保障もない個人事業主ではありますが、仕事に対する「プロ意識の強さ」は、サラリーマン社会に生きる人たちも大いに学ぶべきものがあるのではないかということ。この点に関してNさんは言います。

「私もサラリーマンだったのでよくわかりますが、仕事のプロとして学ぶべきものは多く大変刺激を受けます。先輩が後輩に声をかけてやる自主トレは、キャンプと切り離しても真っ先に真似するべき部分です。スタートは上司が中堅社員に『やれ!』と命じることでもいいでしょう。自主トレが、皆のプロ意識を高めて上司と対等に話ができるようになるし、上司は上司でうかうかしてられないと危機感を持つようになる。それがイエスマンを減らしチームが活性化する一番の方策であると、新聞社の職場でも活かし実感しました」

   会社組織に例えて言うなら、キャンプはトップや上司が旗振りをする合宿会議や合宿勉強会。それをやることの意義はプロ野球と同じく、「戦術の確認」であり、「連携プレーの徹底」であり、「体に覚えこませるための反復練習」であるでしょう。

   そして、その合宿会議や合宿勉強会をさらに有効にするものが、合同自主トレにあたる、中堅、若手社員の自主勉強会ということになるのでしょう。これは合宿がないときでも、どんどんやればいい。最初は上司が中堅社員をけしかけてやらせることでいい、というわけです。

   プロ野球のキャンプは、じつは企業組織活性化のヒントが満載なのです。社員にイエスマンが多い、自主性に欠けるとお悩みの皆さまへの、ご参考まで。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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