「愛媛のまじめなジュースです」のCMで知られ、温州みかんを原材料とする「ポンジュース」が2018年3月に値上げされる。
製造・販売する、えひめ飲料(松山市)が18年2月1日に発表した。ポンジュースは1969(昭和44)年から「天然果汁100%」を売りものに発売。口が細く胴が水滴型にふくらんだ1リットルのペットボトル入りが主力で、「POM」のネーミングとともに親しまれている。
「天然果汁100%でなければ、『ポンジュース』ではないんです!」
えひめ飲料によると、ポンジュースの値上げは11年ぶり。主力の「ポンジュース」1リットル入りペットボトルを、現行の1本320円から380円に値上げする。
値上げの理由について、広報担当者は「国産温州みかんの生産量が減少しており、ジュースにできるみかんも減っています。それに加えて、物流コストの高騰なども(値上げの)要因のひとつです」と説明した。
これまでも、工場の生産効率の向上や業務合理化によるコストダウンに努めてきたが、商品の品質維持、向上するため、値上げを決断。「天然果汁100%であることが、『ポンジュース』を支持していただけている理由ですから」と、話す。
原材料である温州みかんの生産量の減少は、近年の天候不順やみかんの木の老化で、実が少ないことに加えて、17年10月の台風被害で傷みが多発したため。さらに、みかん農家の高齢化が影響していることが背景にある。
そのため、絶対量が足りず、17年12月のみかん相場は1キログラム当たりの平均価格が338円(日本園芸農業協同組合連合会調べ、12月中旬の京浜市場)と、21年ぶりの高値水準にあった。