【最終回】ロンドン五輪ボランティアが明かす 現地で一番聞かれた質問はコレ!?(井津川倫子)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   いよいよ、東京五輪ボランティアの募集スケジュールが発表されました! 2018年9月中旬から募集受付開始です。一生に一度のチャンスに向けて、ムダなく英語をマスターしていきましょう。

   今回は、実際にロンドン五輪で活躍したボランティアのアドバイスからスタートです。彼らが現地で最も聞かれた質問は何だったでしょうか?

  • 2020年、多くの外国人がTOKYOにやって来る!
    2020年、多くの外国人がTOKYOにやって来る!
  • 2020年、多くの外国人がTOKYOにやって来る!

とりあえず、ロンドンにやって来た!

   2012年のロンドン五輪で「London Ambassador」(ロンドンアンバサダー・都市ボランティア)として活躍したリチャードさんによると、ボランティアには次のような素質が求められたそうです。

   The requirement of a London Ambassador was to be friendly, approachable, have some knowledge of how to travel around London and to have common sense!

   (ロンドンアンバサダーに求められるのは、フレンドリーであること、近づきやすい人で、ロンドン中を動き回れる知識があり、そして常識があること!)

   確かに、「friendly」(フレンドリー)「approachable」(近づきやすく)で、「common sense」(常識)がある人は、つい頼りにしてしまいそうです。 リチャードさんは、ロンドン市内の交通の拠点「Waterloo station」(ウオータールー駅)の案内ボランティアでした。たとえると、「上野駅の案内ボランティア」というイメージです。

   五輪期間中、駅の案内所で観光客のサポートをして驚いたのは、あまりにも多くの人が五輪会場への行き方を知らなかったこと、だったそうです。実際、案内ボランティアが一番多く聞かれたのは、次の質問でした。

   「How do we get to the Olympic Park?」

   (オリンピック会場にはどうやって行くのですか?)

.

   東京五輪2020の開催計画と同じように、ロンドン五輪も競技によって会場が異なりました。最寄りの駅も交通手段もそれぞれです。ところが、多くの人が会場の場所を調べずにロンドンにやって来て、しかも簡単にロンドン中を歩いてまわれると思っていた、というのです!

   わかりやすく言えば、東京五輪目当ての来日客がとりあえず上野駅までやってきて、国立競技場や横浜スタジアムに簡単に歩いて行けると思っていた、という感じでしょうか。案内ボランティアの役割がいかに重要か、が伝わってくるエピソードです。

   逆に、「予想に反してほとんど聞かれなかったこと」は、

   「Where are the toilets?」

   (トイレはどこですか?)

だったそうです。

   リアルな体験談は参考になりますね。

英語はこれだけで大丈夫! 道案内には「決まった言い方」がある

   こうすると、目標を東京五輪ボランティアに絞れば、マスターすべき英語の種類やジャンルが見えてきました。

   1)「日本」ではなく「東京」を英語で紹介できるようになる

   2)「東京」の見どころや観光地、おいしいレストランを紹介できるようになる

   3)場所や交通手段を「英語で案内」できるようになる

   4)自己紹介や季節のあいさつなど「一般的な英会話」はいらない

   五輪ボランティアには、交通手段や観光地の案内など「極めて実務的」な英語が求められます。

   書店でよく目にする、「外国人に日本を紹介する」類いの英語テキストはあまり役に立ちません。「日本には四季があります」とか「正月はおせち料理を食べて、初詣に出かけます」といった英語をいくら覚えても、披露する機会はほとんどないでしょう。

   とにかく「東京を案内する」ことに的を絞って、英語力を磨くことをオススメします。

   「東京」の観光地や外国人向けのレストラン情報などは、東京の観光公式サイト「Official Tokyo Travel Guide GO TOKYO」がよくできています。日本語と英語の両方のサイトがあって便利ですが、英語サイトを見て使えそうな表現をそのまま暗記して下さい。いくつかのパターンを覚えておくといいでしょう。

   参考書では、「案内する英語」に特化したものがオススメ。

   「もう困らない! どんなときも! 英語で「案内」ができる本」(リサ・ヴォート著・大和書房)は、「駅・空港で案内する」「道を案内する」など、場面ごとに使える例文が紹介されているのでとっても便利です。

   「案内をする英語」は、パターンが決まっています。道の案内の仕方、電車の乗り換えなど「決まった言い方」がありますから、例文をそのまま暗記して下さい。必ず音声サービス(付録のCDやダウンロード方式)があるものを選んで、音を聞きながら覚えましょう。英語の音声に合わせて発音をする「シャドーイング」をするといいでしょう。

   東京五輪は、英語を使って世界中の人とコミュニケーションができるチャンスです。2020年に向けて、ひとりでも多くの方に楽しみながら英語を学んでいただければと、願っています。(井津川倫子、おわり)

kaisha_20170303104637.png
井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。TOEIC(R)L&Rテストの最新スコア970点。これまで英検、TOEIC、TOEFL、IELTSをすべて受験し、GMATにも挑戦。30年近く仕事をしながら英語を学び、海外駐在員として滞在したロンドンでは、イギリス式の英語学習法も体験した。「いくつになっても英語は上達できる」をモットーに、40代での英語やり直しを提唱している。現役ビジネスパーソンならではの実践的なアドバイスが「役に立つ」と人気。
姉妹サイト