企業の人手不足が強まっている。
財務省が2018年1月31日に発表した「人手不足の現状及び対応策について」の調査結果によると、全国の1341社のうち、「人手不足と感じる」という企業数が、1年前と比べて54社(4%)増えて952社(71%)にのぼった。
自動化で人に頼らない仕事のまわし方を模索
人手不足の理由として、最も多かったのは「採用が進まない」で561社(59%)。この理由について、2月1日のJ‐CAST会社ウォッチ編集部の取材に財務省の担当者は、「企業は募集をかけても人が来ないからだと話している」と説明した。
同じ仕事内容で募集をかけても、時給が高いなど条件のいい企業に応募者が殺到。また、建設や飲食、小売りといった業種では、「ブラックなイメージが先行しているために募集しても人が集まらないのではないか」と話した。
採用が進まない理由では、「退職者の増加」も124社(13%)と多く、「出産や子育て、介護で退職する人が後を絶たない」という。過去に新卒を受け入れられなかった時期のしわ寄せもある。
人手不足により、従業員への負担が増している(546社、57.4%)ほか、受注機会などを逃した(148社、15.6%)ケースもあった。
今後の人手不足の対応策について、担当者は「工場、レジの自動化といったように、人に頼らない設備投資を行うなどの対策を練る企業が増加してきている」と述べ、人が少なくても仕事を回せるような取り組みが進んでいきそうだ。
なお、調査は2017年11月~18年1月に、全国の財務局が実施した。