コインチェック社長の誤算 そもそも起業のための3つの「やる」はありましたか?(大関暁夫)

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一等地のラーメン屋が1年半で閉店したワケ?

   「やれること」の重要性は、背伸びをしていないか、ということです。

   必ずしも自分一人ではできないことでも、信頼に足る仲間の力を借りることで十分に「やれること」と判断できるならOKです。一番怖いのは、信頼関係に乏しい人の力を借りて失敗するケースです。

   都心の一等地でラーメン屋を始めたSさん。元々人材派遣会社の役員でした。突然畑違いの起業を試みたいきさつは、飲食店経営を手がけたかったこと、たまたま友人のツテで有名ラーメン店の店長が新たな職場を探している話があったこと、ちょうど出物の物件があったこと、でした。

   出足は絶順調でしたが、わずか1年半で閉店の憂き目に。理由は、報酬の件でもめた店長が1年で辞め、後任店長の腕がイマイチで客足が激減したことでした。Sさんには「やりたいこと」ではあったものの、「やれること」ではなかったのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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