「トレカル」は、取引スタイルを確立するツール
マネックス証券の松本大社長
マネックス証券の松本大社長も、「投資AIは、リスクの検知やポートフォリオの組み方をアドバイスするようなことが向いているのだと思う。これまで人が時間をかけてやってきた分析をスピーディーかつ正確に判断するのがAIで、人はAIが苦手なきめこまやかな部分を掘り下げていくことを考えたほうがいい」と話す。
その結論が、FX投資家の「補佐」に徹する「トレードカルテFX」というわけだ。
「トレカル」は、売買タイミングや得意・不得意なチャートのパターンなど、投資家が重視する取引要素に着目。過去のトレーディング実績から、「取引スタイルの一貫性」を分析することで、投資家の取引の傾向や癖を検証する。
さらに、投資家の取引を5つのスタイルに分けて、現状に加え目標となり得るトレーディングスタイルを「地図のように表示」するのだ。個人の取引スタイルを可視化し、人工的にさまざまな取引傾向を備えたトレーディングAIを生成(特許出願済み)、現状と目標を理解しやすくすることで、投資家の取引技術の向上をサポートするサービスとなっている。AIが人間に成り代わって取引をするのではなくサポートすることで、AIと人間のそれぞれの長所を融合するツールともいえる。
松本社長は、「AIの活用というと自動売買などをイメージする人が多いと思いますが、この『トレカル』はトレーダーの取引をフィードバックして、目標とする取引スタイルを自分自身で無理なく確立してもらうための新しいサービスです」と胸を張る。