クボタ木股社長の悩みが「コレ!」で解消した
時を同じくして、新聞で似たような話を扱った記事を目にしました。「会社は赤の他人の集まり。経営者になれば、それだけで社員は自然に従うと思うのは大間違い」という、長年京セラの稲盛和夫名誉会長の秘書として仕えた大田嘉仁氏の話です。
この言葉は稲盛氏の社員との接し方を見ていて会得した、経営の真理であると大田氏は話しています。
言いたいことは、経営者と社員の関係は経営者が思っているほど自然発生的かつ絶対的な主従関係はなく、むしろ常に危ういものであるとの理解が必要だということなのです。
すなわち、ビジネスライクな上下関係、主従関係だけでなく、人としての人間関係こそ大切なのであり、真の信頼関係は自ら築き上げるものなのだというわけなのです。
この記事では、同じ心がけの具体例として、産業機械製造大手のクボタの木股昌俊社長の話も取り上げられていました。それは、同社では全社員1万1000人の自宅に、毎年社長からのバースデーカードが届くというのです。カードには、社長の顔写真と共に、「安全と健康をなにより大切にお過ごしください」と書かれていると言います。
さらにそのカードには、部課長の手書きメッセージか添えられているのだそうです。クボタほどの大企業では、社長が全員の顔を知っているわけではないので、社長が面識のない部下にはその上司が社長に代わって、社長の顔写真とメッセージの下に心を込めた直筆メッセージを贈っている、そんな仕組みになっているようです。