接客業を悩ます悪質クレーム(前編)「バカ」「死ね」「辞めろ!」「お客様」の驚きの実態

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   「責任者を呼べ!」「土下座しろ!」...... 百貨店やスーパー・コンビニエンスストア、レストランなどの「接客」の現場で時おり見かける理不尽なクレーム。ちょっとしたミスに対して解雇を要求したり、長時間怒鳴りつけたりして、従業員のストレスになっていることは想像に難くない。

   そうしたなか、小売業などの従業員の労働組合「UAゼンセン」の流通部門が約5万人の組合員にアンケートした「悪質クレーム」(迷惑行為)の調査報告を発表。驚きの「モンスター顧客」の実態がわかった。

  • ひたすら謝り続けるしかないのか(写真はイメージ)
    ひたすら謝り続けるしかないのか(写真はイメージ)
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「5時間立たせて説教」がかわいく見える驚愕のクレーム

   悪質クレームの調査は2017年11月にまとまった。それによると、調査に協力した従業員のうち74%が悪質クレームを受けており、そのうちの90%がストレスを感じている。

   精神疾患を発症した人が359人もいた。J‐CAST会社ウォッチ編集部の取材に応じたUAゼンセン常任中央執行委員の森田了介さんによると、接客業界では「お客様は神様」といった顧客第一主義が大原則なため、お客の言動はたとえ不当なものであっても耐えなくてはいけないという風潮が強い。そのため、悪質クレームに対する対応で一番多いのは「(ひたすら)あやまり続けた」が38%、次いで「上司に引き継いだ」が30%で、「毅然と対応した」は20%だけだった。

   いったいどんなクレームが多いのか――。一般的なのは「暴言・脅迫型」と、しつこく追及する「長時間抗議・拘束型」という。

【暴言・脅迫型】

(1)商品の場所を案内すると、「遠回りさせられた」と怒りだし、「バカ、死ね、辞めろ!」と怒鳴った。

(2)商品の場所まで案内し、手で指して伝えると、「なんだなんだ、その態度は! 名前は何というんだ?」と胸ぐらをつかんだ。

(3)何が気に障ったのか不明だが、レジでいきなり「ぶっ殺すぞ!」と怒鳴った。また、「釣りを出せ!」と怒り、レジを壊しそうな勢いでガンガン叩いた。

(4)購入した包丁の切れ味が悪いとのことで、返品対応した際、「研いでも切れない!」と包丁をむき出しにして顔に近づけた。

(5)不良商品の交換の時に、「交通費と迷惑料を出せ」と要求された。できない旨を伝えると、「生活できない体にしてやる!」「土下座しろ!」と脅した。

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