ヒトの感情を認識するヒューマノイドロボット「Pepper」の「親権」をめぐって、ソフトバンクとGROOVE Xが対立している。
販売などの事業展開を手がけるソフトバンクロボティクスは、Pepperの「開発リーダー」とされてきたGROOVE X(東京都中央区)代表取締役の林要氏に、Pepperの「生みの親」「父」などの表現を用いないよう要請する文書を2018年1月23日、報道各社に送付。J‐CAST会社ウォッチ編集部は24日、ソフトバンクとGROOVE Xの双方に、その主張を聞いた。
「開発リーダー」の肩書めぐり対立
今回のいきさつを、ソフトバンクの広報部担当者はこう話す。
もともと、林氏がソフトバンクに在籍していた時分、Pepperに関する取材を受ける際にわかりやすくするために「開発リーダー」という肩書を用いていた。ただ、「『開発リーダー』は正式な肩書ではないうえ、林氏はPepperの開発に際して主導的な役割は果たしておらず、あくまで経営側と開発現場側をつなぐような役割だった」という。
そのうえで、「林氏をPepperの『父』『生みの親』『(元)開発者』『(元)開発責任者』『(元)開発リーダー』などと呼ぶことは誤りであり、顧客や投資家に対して間違った印象を与えかねない」と主張する。
この件について、ソフトバンクはこれまでも数回にわたって林氏側に申し入れを行ってきたが改善がみられなかったとし、今回、報道陣向けの呼びかけに踏み切ったと説明した。