米フェイスブックは、ニュースフィードに企業やメディアの投稿よりも家族や友人の投稿を優先して表示する方針を表明した。
ユーザーの利用時間は減るとみている一方で、長期的な効果に期待を寄せている。
「コミュニケーションを有意義なものに」
米フェイスブックの方針転換は2018年1月11日(米国時間)、米ニューヨーク・タイムズの報道で明らかとなった。
米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は同日、自身のフェイスブックで声明を発表。企業やメディアの投稿を「パブリックコンテンツ」と呼んで、「パブリックコンテンツが家族や友人の投稿を上回っていることで、ニュースフィード上のバランスが、フェイスブックが成しうる最も重要なことから転換してしまった―― それは、ユーザーどうしがつながることの手助けだ」と指摘した。
ザッカーバーグ氏はそのうえで、ニュースフィードに家族や友人からの投稿を多く表示するようにするとし、「パブリックコンテンツを目にすることは減るだろう。ニュースフィードで見るコンテンツには、他のコンテンツと同様の基準を適用する―― ユーザー間のコミュニケーションを有意義なものにする」と方針を示した。
一方で、こうしたアルゴリズムの変更で「ユーザーがフェイスブックで過ごす時間は減りエンゲージメントの指標の一部は低下するだろう」とも予測している。それでも「フェイスブックで過ごす時間はもっと価値あるものにできると考えている」とし、「正しいことをすれば、ユーザーのコミュニティーと当社のビジネスに、長期的には良い影響があると信じる」と強調した。
1月12日の米ニューヨーク株式市場で、フェイスブック株は下落。下げ幅は一時、5.5%安に達した。これは16年11月以来、最大だった。