被害者の最善策は?
損害賠償請求についても、「微妙」のようだ。
「計画倒産のような悪質な場合に限り、経営者個人に賠償責任を追及できるのですが、会社が破産手続をする多くの場合、経営者個人も破産手続をすることが通常でしょうから、経営者個人には損害を賠償するほどの資産が残っていないかもしれません」
それでは、被害者はどんな手を打つべきなのか――。刈谷弁護士は、振袖代金の支払い方法で対応策は変わってくるという。
刈谷弁護士は、「クレジットカードで決済をした場合は、クレジットカード会社に対して支払停止を申し出ることが最善策です。カードの保有者は、加盟店が契約を履行しない場合などに、カード会社に対して支払いを拒むことができます。今回の被害者は、カード会社に連絡をして支払停止の手続きを取ることがいいでしょう。これはカード代金の支払いを正当に拒絶する権利のことなのですが、もしかするとカード会社が自主的に返金の対応をとってくれるかもしれません」と指摘。
ただ、すでに現金で支払いを済ませている場合は、「法的には契約を解除した上で代金の返還請求をすることになりますが、あまり現実的とは言えないでしょう」と話している。