あの柳井社長だって悩んでる 後継者づくりの「3つのポイント」(大関暁夫)

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「部長はどこまでいっても部長」経営者ではない!

   柳井氏の話のポイントを整理すると、以下のとおりです。

・ 経営者は経営者としてしか育たない。部長はどこまでいっても部長。最高執行責任者(COO)としてなどの経営陣として実績を積み上げた者でなければ引き継げない。
・ 経営者は、フォロワーシップとリーダーシップを兼ね備えていなくてはならない。
・ 経営者は、自分で決断しリスクを冒せる人物でなければならない。

   後継者づくりにおける、この3つポイントは、現実に私の周囲でもなかなか後継者をつくれずにいつまでも社長のイスに座り続けている経営者に欠けているものであるように思えます。

   特に1番目は、御子息を後継者として考えている社長に非常にありがちな話です。

   「稼ぐことで経営の基本を学ぶために、営業部長として営業部門を担当しろ」とか、「会社経営の勉強になるから、総務部長として私をフォローしろ」とか、あくまで一部長として後継者を使うパターンです。

   銀行時代の取引先G社もそうでした。社長営業から卒業したいT社長は御子息を営業部長に任命し、社長が開拓してきた取引先を「代替わりに向けた布石」と称して引き継ぎしたのですが、結局、御子息は営業部長のまま世代交代はできずじまい。80歳を目前にしたT社長の口癖は、「息子に次期社長の自覚がなさすぎる」というものです。

   地位は立場がつくるということを、未だご理解いただけないようです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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