KDDI(au)は、保護者が子どものiPhoneを、自分のスマートフォンやパソコンから遠隔操作して管理できるサービスを2018年1月25日から無料で開始する。1月9日に発表した。
子どもがスマホを使って何をしているのか、親は心配なものだが、このサービスを利用すると、「LINE」やゲームなどのアプリを使えなくしたり、危険なサイトを見てはいないかなど、前日の利用内容を確認したりできる。また子どもが、親がかけた「制限」を突破しようとすると、親に通知される仕組みだ。
違法サイト、出会い系、アダルト......「見せません!」
KDDIによると、このサービスは従来からあった子どもを危険なサイトやアプリから守る「あんしんフィルター for au」の機能を強化したもの。従来も、違法サイトや出会い系サイト、アダルトサイト、コミュニティーサイトなどを制限するフィルター機能がついていた。
新サービスでは、夜間など通話・アプリを利用させたくない時間を設定したり、親が許可した相手だけに発着信を制限したり、前日にネットでサイトを見た回数や分野ごとの内訳をグラフで確認したりすることができる。
また、子どもが成人サイトを見たり、危険なアプリをダウンロードしたりできないよう設定できるうえ、ダウンロード済みのアプリを遠隔操作によって使用不能にすることもできる。
もし、子どもがこうした制限を破ろうとすると、親のスマホやパソコンに通知が届く仕組み。また、新たに子どもの居場所を知りたい時に地図で表示されるエリア探索機能が追加された。
スマホの電源が切られていても、おおよその位置がわかるなど、念には念を入れたガードぶりだ。
子どもの「スマホ中毒」深刻化
KDDIの新サービスは、ウェブサイトの閲覧やアプリの制限が、「小学生」「中学生」「高校生」「高校生プラス」の4段階から選べる。
たとえば、SNSや掲示板は小学生から高校生までが「制限」されるが、高校生プラスだけが「許可」。ゲーム、占い、電子書籍は小学生だけが「制限」され、中学生以上は「許可」。グラビア、オカルト、懸賞は小学生と中学生は「制限」されるが、高校生以上が「許可」されるという。
一方、米国では2018年1月6日(米国時間)、投資ファンドなどの株主がiPhoneを製造、販売するアップルに対して、子どもの「スマホ中毒」への対策を盛り込んだ要請書を公表した。
それによると、米国の10代の50%が「自らをスマホ中毒に感じている」との調査結果を紹介。スマホに過度に依存する子どもが増えていると指摘した。
アップルはこの問題に、前向きに対応すべきであり、それが「株主の長期的価値」向上につながるとしている。
また、日本でも内閣府が調査(2016年度)を実施。1日に2時間以上、スマホでインターネットを利用する小学生は24.9%。中学生で52.1%、高校生は72.1%もいることがわかっている。
子どもの「スマホ中毒」が、深刻化しているようすがうかがえる。