怒鳴る、罵る...... 課長、いったいアナタは何様だ!(江上剛)

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   営業部門に所属する5年目ですが、「パワハラ」課長がイヤです。今の時代、誰か一人を名指しして追及することは「いじめ」とも受け取られません。課長はまだ40代なのですが、体育会系で、暴力をふるうことはありませんが、聞いている周りが顔をしかめるほどの大きな声で、仕事でミスしたり、業績が芳しくなかったりする相手を罵るのです。これは「パワハラ」ですよね? 課長は仕事がデキますし、怒鳴りさえしなければ部下の面倒見も悪くはありません。ですから、上司も大目に見ているようなのです。こんな課長の下でも、我慢するしかないのでしょうか。

   最低の課長だね。

  • 怒鳴る上司よ、アナタは何様だ!?
    怒鳴る上司よ、アナタは何様だ!?
  • 怒鳴る上司よ、アナタは何様だ!?

部下を怒鳴るのは上司へのアピール

   部下を怒鳴ったり、罵ったり...... その課長、いったい自分を何様だと思っているのだろうか――。

   そんなヤツを「仕事ができる」というなんて、アナタもおかしい。

   彼は、誰に向かって怒鳴っていると思いますか?

   部下の成長のためですか? 部下の幸せのためですか?

   課長というのは中間管理職です。軍隊で言えば、軍曹です。部下と一緒に銃を持って敵陣に突っ込む役目です。

   作戦本部で、ああでもない、こうでもないと小田原評定をしている幹部じゃない。

   部下と一緒に死ななければならない立場なのです。

   そんな人間が、部下がびびってしまうほど、怒鳴り、ののしってどうするんですか。

   彼は上司に向かってアピールしているんですよ。

   自分はこんなに頑張っています。こんなに部下を指導していますってね。

   馬鹿じゃないですか?

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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