【2018年を読む】実感なき「豊かさ」の理由はコレ! 経済ジャーナリスト・荻原博子氏に聞く

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上がらない物価、アベノミクス政策は失敗!

――「デフレ」というと物価が上がらない状況ですよね。でも、モノの値段は上がっています。収入が増えないことが一番の原因ではないのですか。

荻原氏「いやいや、物価は下がっていますよ。たとえば、携帯電話の料金をみてください。値下げしていますよね。生鮮食料品などは、その時の気候変動などの影響がありますから、今年は長雨の影響もあって値段が上がっていますが、さまざまなサービスは値下げの傾向にあります。だから、給料が上がらなくても、どうにかやり繰りして生活できているワケです。もちろん、賃金が上がらないこともありますが、最大の要因はデフレの状態が続いていることです」

――そう言われると、日本銀行は「デフレ脱却」「消費者物価2%上昇」の達成見通しを、もう6回も延期していますね。

荻原氏「ええ。だから、アベノミクスは失敗なんです。覚えていますか? そもそもアベノミクスはデフレ脱却が『1丁目1番地』の政策だったんですよ。ここができていないのだから、いくら数字のうえで雇用が増えたとか、賃金が上がっているとか、言ってもダメなんです。その一方で、現実的には個人に負担がかかる社会保険料や税金は上がっているじゃないですか。デフレを脱却して景気がよくなれば、賃金も上がりますが、現状はそうでないんです」.

――では、景気はいつ回復するのでしょう。

荻原氏「日銀がデフレ脱却を宣言する日までは回復しません」
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