2017年5月、満を持して購入したMacBook Airであるが、使いこなせないと嘆くうち、ついに壊れてしまった。キーボードがまったく動かないのである。仕方なく、サポートセンターに電話してみると、
「お客様、お待たせしてすみません。いかがしましたでしょうか?」
感じのよさそうなお兄さんが出てくれた。
お兄さんと一緒に格闘してみたけど......
「では、こことここのボタンを一緒に押して、再起動してみてください」
「はい、今押してます......」
1時間も格闘しただろうか。教えられたとおり、2時間かけてOSのアップデートもしてみたが、ついに直らなかった。Appleのサポートセンターのお兄さんは最終的に、
「お客様はMacBook AirにWindowsOSを入れて使っていらっしゃるんですね」
「はい、そうです......」
「Windowsのことは、正直申し上げて、こちらでわかりかねますので、Microsoftのサポートセンターにお問い合わせください。電話番号は○○です」
と、ご丁寧にライバル企業のサポートセンターの電話番号まで教えてくれた。
ところが残念ながら、Microsoftのサポートセンターに電話しても、事態は好転しない。
「お客様がお使いの機器はMacですので、こちらでは正直わかりかねてしまいます......」
「......そうですよねぇ」
結局、キーボードが直ることはなく、MacBook Airはゴミ同然になってしまった。
周辺機器と合わせて15万円もしたのになぁ...... もともと使いこなせなかったが、ますます「無用の長物」と化したわけだ。情けない。
焦らされてますます欲しくなる!
そこで早速、新しいパソコンを買うことにした。MacBook Airは無駄にしてしまったが、今度こそ手に馴染むWindowsパソコンを手に入れよう。そう思うとワクワクして、ビックカメラを見て回る足も弾む。Macをダメにしたことなど忘れて、すっかりルンルン気分であった。
「お客様、これがオススメですよ」と言われたのは、レノボの超軽量ノートパソコン、「YOGA900s」シリーズ。1年前に出たモデルなので、元値17万円がなんと、10万円ポッキリだ。
えぇっ、10万円ポッキリ!? Macより5万円も安いのに、Macと変わらぬスペックで、重さは300グラムも軽いとはこれいかに。
思わず「安いですね!」と口走ってしまう。
10万円って、冷静に考えればぜんぜん安くないのだが、このスペックのパソコンにしては「安い」。錯覚でもなんでもいい、この際、Macより手に馴染むNEWパソコンをゲットするという目的へ、ひたすらに邁進しようじゃないか。
「このスペックで10万円、この軽さも含めて、10万円はちょっと他では見当たりませんね」と、店員さんも誇らしげである。
「買います。在庫ありますか?」
確認してもらったところ、人気のモデルだったからか、なんと在庫ナシ!
ええええ~!? ここまで欲望を高められて、それは困るぞ!
である。「全国の他店舗にあるかもしれませんので、見てみますね」と言われ、じっと待つこと15分。なんと、北海道のビックカメラに1台だけあったそうだ。
女性に人気のシャンパンゴールド色は売り切れらしいが、そんなことはどうでもよい。売れ残りでもなんでもいいから、私はハイスペックなWindowsパソコン(お値段10万円)が欲しいのだ~! 在庫確認で焦らされた結果、ますますおニューのパソコンが愛おしく感じられるようになった次第である。
それにしても、やっぱりWindowsは使いやすい。インターフェースもキータッチも最高で、1日中、仕事をしていてもまったく苦にならない! やはり、モノが作業効率を左右するのだ。スティーブ・ジョブス氏には悪いが、私の手にMacはなじまなかった。
すみません。これからはビル・ゲイツと一緒に生きていきます。(北条かや)