むつ労働基準監督署から時間外労働に伴う是正勧告を受けたことで、社内調査を進めていた日本原燃(青森県六ケ所村)は、2016年4月から17年9月にかけて、合計で約1万6500時間の時間外労働を過少申告していた社員が389人にのぼったと、2017年12月14日に発表した。
全社員(特別管理職を含む約2600人)のうち、15%に当たる。このうち、134人の一般職は、労使協定(三六協定)に違反。管理職の58人についても、月80時間の時間外労働の上限を超過していた。
一人あたり平均約8万円、12月の給与支給日に精算
日本原燃によると、過少申告の一人当たりの平均時間は約43時間だった。本来支払うべきだった残業代は、一人当たりの平均で約8万円、総額で約3000万円にのぼる。12月の給与支給日に精算する。
これにあわせて同社は、時間外労働をさせる場合には事前に室長や本部長、事業部長の許可を得ることとし、これら経営層の責任を明確化するほか、不適切な時間外労働を確認した場合には対象者も含め労務管理者、室長や本部長、事業部長までの人事措置の実施や業務のアウトソーシングを積極化して社員が行うべき業務量そのものを削減するなどの再発防止策も明らかにした。
「不適切な時間外労働があったことを厳粛に受け止め、再発防止対策に取り組み、労働時間管理の徹底を図っていきます」とのコメントを発表している。
同社ではこれまで、16年3月までの過去2年間で約480人の労働時間が過少申告されており、約7000万円の未払い賃金を精算。また、その後に振替休日の不適切な運用が発覚し、むつ労働基準監督署から17年7月に是正勧告を受けたばかりだった。