「撤回すれば、それでよし」なのか?
麻生太郎副総理兼財務相も発言撤回については「常連」である。2013年には憲法改正論に関して「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気がつかなかった。あの手口に学んだらどうか」と発言し、批判されると、翌日には「不適切」と撤回した。
それなのに、この夏には「何百万人を殺したヒトラーはいくら動機が正しくても駄目だ」と、ナチスのユダヤ人虐殺を擁護したとも受け取られかねない発言をし、翌日にはまた「不適切」と撤回している。
政治家が暴言、失言、不適切発言をやらかしても、撤回すればそれでよし――。そんな風潮が世間にはあるのではないだろうか。それに甘えて、政治家は平気で暴言を繰り返す。僕にはそのように思えてならない。
もっとも、ここで書いたような発言は、取り立てて世の中に悪影響を及ぼすとも思えない。発言した政治家を「ばかだなあ」と、笑い飛ばしておいてもいい。
しかし、不用意な発言が、たとえば外国との戦争を引き起こすことだってありうるだろう。その意味で、私たちは政治家には常に「綸言汗の如し」という覚悟を持つよう求めたいのである。
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