キラキラのティファニーも今は昔? ジュエリーの二極化と2017年のXmas(北条かや)

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Xmasケーキとティファニーは「25」まで?

   そういう話を聞いて、私は思う。

   ティファニーの神通力は1990年代以降、少しずつ落ちてきているのではないか――。まだまだファンはいるものの、かつてのように「みんなが欲しがるティファニー」はもう、幻想なのかもしれない。

   フリマアプリのメルカリで「ティファニー」を検索すると、5000円から1万円くらいまでの低価格ユーズド品がたくさん出てくる。かつて夢中で欲したティファニーを、今や手放したい人たちがこれだけいるのか、と驚かされる。しかも、出品するには「5000円」が売れ筋価格だそうだ。叩き売りされるティファニーを見ると、やや切ない気さえしてくる。

   いまやジュエリー市場は、ヴァンクリのような100万円単位の超高級ブランド品と、1000円台で買えるプチプラ(プチ・プライス、廉価品)に二極化しているのではないだろうか。みんなが「一億総中流」の波に乗ってティファニーを買い求めた時代が終わり、「中間」がすっぽり抜け落ちたのである。

   平均的なOLが読むとされる女性誌には、今宵もティファニーが大きな広告を載せている。その資金力はどこから来るのだろうと思うほど、少なくとも私の周りには、ティファニーへの憧れを募らせる女性がいない。

   いったい、今の時代、誰がティファニーを買い支えているのだろう。やはりインバウンドのお客さんだろうか......と、Xmasにジュエリーなどもらう予定もない自分は、ひとり、パソコンの前で思いを巡らせているのであった。(北条かや)

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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