英語を教える立場になってみたら、世の中には「英語が苦手」と思い込んでいる人が、じつに多いことに驚きました。
あらあら、もったいない!「生まれつき英語が苦手な人」なんていませんよ! 思うように上達しないのは、才能ではなくて「やり方」が悪いだけです。学習の「仕組み」をちょっと見直して、積年の苦手意識を克服しませんか?
「プロセス」と「目標」をはき違えるな!
若いころからありとあらゆる英語教材や英語スクールに大金をつぎ込み、「英語」と名のつくラジオ講座に片っぱしから手を出して、そのくせ、いつまでたっても上達しないなどと自分自身に腹を立て、さらには「英語」にかけたお金と時間を振り返っては、「つくづく英語の才能がないな......」と、自己嫌悪に陥っていた私です。
なぜ、あんなに努力をしたのに英語が上達しなかったのか。今なら、その理由がハッキリとわかります。「プロセス」と「目標」をはき違えていたからです。
最強の仕組み(1) プロセスを目標にしない
英語を長年勉強している人に多いのですが、「プロセス」が目標になっていることがあります。
英語をマスターする目標は、何らかの「結果」であるはずです。たとえば、「TOEICで700点を取る」「英語で自己紹介ができるようになる」「ニューヨークタイムズを読めるようになる」などです。
一方、「ラジオ講座を聴く」「英会話スクールに通う」「毎日1時間、英語の勉強をする」などは目標を達成するための手段、つまり「プロセス」です。「TOEICで700点をとる」という目標のために、「毎日1時間、英語の勉強をする」のです。
ところが、この「プロセス」が目標になってしまうと要注意!
「毎日1時間勉強する」ことに満足をして、「結果」なんてどうでもよくなってしまいます。ダラダラと同じことを繰り返すだけで、ちっとも上達しないのは当たり前。「上達」が目標になっていないのですから!
今からでも遅くありません。何のために英語を学ぶのか「目標(結果)」を明確にして、「プロセス」と線を引くことから始めてみましょう。
最強の仕組み(2) 目標は3か月単位で立てる
英語は短期決戦に限ります。3か月を1クールとして学習計画を立てて目標をクリアしていきましょう。3か月で一気に山を駆けあがる作戦です。
3か月なら、どんなに忙しいサラリーマンでも時間を捻出できそうですし、集中力も保てます。半年では少々間延びして、途中で根気が失せてしまいがちです。
コツは、「3か月で達成できそうな目標」を立てることです。一気に「TOEIC 700点」を目指すのではなく、最初の3か月で「TOEIC 500点」を目指して、その次の3か月で600点、その次は700点と、少しずつ目標を上げていく方法です。
小さな山を一つずつ制覇して、最終的に大きな山にたどり着きましょう。