現在の日本のような、「ゼロ金利」「マイナス金利」の低金利時代にお金を殖やすには、どうすればいいでしょうか――。その答えは変動商品の活用。株式や投資信託、外国証券、不動産などといった価格が変動する商品への投資です。
だからといって、投資の初心者がいきなり、株だ! FX(外国為替証拠金取引)だ! といっても、不安ですよね。ニュースでよく聞く話も大体は「損した」という話ばかりが目に付きます。今回は投資に対する基本的な考え方をお話します。
毎月コツコツ、ドルコスト平均法がいいワケ
価格が変動する投資商品は、元本が保証されません。また、投資商品にはさまざまなものがあり、「損してしまうかもしれない」というリスクも、大きなものから小さなものまで幅広くあります。
人は一般に、手元資金を投資して損することがあるとなると、投資を躊躇してしまうケースが多いもの。もちろん、最初から「損してもいい」と思って投資する人はいません。できるだけ損しないように考えて投資することが大切です。
まず、投資の大前提は、生活費とは別の「財布」、つまり余裕資金の範囲内で投資することが何よりも大切です。つまり、なくてもいいお金です。そのうえで、どうすれば、損失を抑えて投資することができるのか、ということです。とても参考になる投資方法が一つ、あります。英米が長年培ってきたノウハウである「ドルコスト平均法」です。
変動商品で損しない方法は、「安く買って、高く売る」ことです。「そんなこと、わかっている」と言われるでしょうが、それがなかなかできない。安いときがわからないからです。だから、「株で損した!」という人が後を絶たないのです。
ドルコスト平均法とは、機械的に一定金額分を、長期間かけて買っていく方法です。たとえば、毎月1万円ずつ、投資信託を買うと仮定します。投資信託は、運用はプロに任せて、リスクを抑えて投資する商品ですが、その価格(基本価額)が1万円とします。毎月「一定額を投資して」コツコツ1口ずつを買い続けます。とはいえ、価格は変動しますから、価格が5000円になれば、2口買うことができます。それが2万円であれば、0.5口しか買えません。
それでも、毎月1万円ずつコツコツと買っていきます。ポイントは、この方法であれば、自動的に安いときにたくさん買えるということ。平均コストが安くなり、知らず知らずのうちに、自然と「安いときにたくさん買っている」ことになります。
投資手段として、ドルコスト平均法はとても有効な手法といえます。
ちなみに、投資信託が初心者に向いているとされるのは、商品がパッケージ化されており、すでにある程度のリスク分散ができていることころです。素人がプロに勝つことが難しいのは投資の世界でも同じです。ですから、プロに運用を任せることも、「負けない」投資方法のひとつだと思います。