総括せよ! 会社にはびこる「責任逃れ」体質(江上剛)

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   小さな印刷会社に勤務しています。所属する部署で進めてきた仕事がうまくいきませんでした。リーダーは責任を感じていると思っていたのですが、反省会の席で、「みんなで決めたのだからみんなに責任がある」ということを言いはじめたのです。たしかにみんなで決めたことでしたし、リーダーにすべての責任を押し付けるつもりはありません。みんな持ち場持ち場で責任感を持って取り組んできたと思います。とはいえ、そのように責任の所在を曖昧にしたままで仕事に区切りをつけていいのでしょうか。なにか、学生のサークル活動のノリで、すごくイヤでした。私のこの感覚はおかしいのですか?

   ちっともおかしくはありません。みんなに責任があるという部長(?)のほうがおかしい。自分が責任を取らされるのが嫌なのでしょうね。

  • 責任者、出てこい!!
    責任者、出てこい!!
  • 責任者、出てこい!!

日本企業の失敗の原因はココにある!

   こんな部長は、掃いて捨てるほどいますよ。いちいち腹を立てるのも面倒くさくなるくらい。

   一方で、「責任は自分にある」と表向きは部下想いのいい恰好をしながら、裏では「馬鹿な部下ばかりだ」と不満を漏らす部長もいるから、どっちもどっち。

   しかし部員が「責任を明確にするべき」という認識で一致したら、やはり部長にきっちりと言い込んで責任の所在を明らかにする、いわゆる仕事の総括をしたらいいと思いますよ。

   日本企業の失敗は総括しないことだから。

   上司が総括しないのは、失敗の原因を探し出し、検証して、それが責任追及になることを恐れるからだね。

   だから総括のやり方、失敗の原因を追及するのも、個人攻撃にならないようにしながら、組織の問題を改善する方向に持っていけたらいいと思う。

   なかなか、難しいけどね。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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