炙り出される「日本的組織」の不始末 原因は終身雇用の崩壊にあり!(城繁幸)

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社員の流動化が、真のグローバル化への一歩

   さらに、企業のグローバル化もこの流れを後押ししている。

   当たり前だが、他国の人材は就職を「一企業と一心同体の運命共同体に参加する行為」などとは夢にも思っていないから、秘密の共有サークルに誘われても首を縦にふることはないだろう。

   ちなみに、2011年にオリンパスの過去の企業買収に伴う損失隠し問題を告発したのは、当時の経営トップであるイギリス人社長だった。

   とはいえ、筆者はこうした過去の不祥事の累積が露見するのは、素晴らしいことだと前向きに評価している。

   それは労働市場が緩やかに流動化し、組織が本当の意味でのグローバル企業に生まれ変わるきっかけとなりうるからだ。

   社内で英語を公用語化したり、外国籍の幹部をヘッドハンティングしたりするよりも、「社員の誰がいつライバル企業に転職してもおかしくないという前提に立って業務プロセスやコンプライアンスを見直すこと」のほうが、グローバル企業への有効な近道だというのが筆者のスタンスだ。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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