心の弱さと根気のなさは人後に落ちない私です。「英語なんかできなくても生きていける」「いい年をして苦労するだけムダ」。そんな悪魔のささやきに、何度惑わされたことでしょう。
今回は、そんな弱い自分と格闘しながら学んだ「モチベーションをコントロールする方法」です。やり直し英語を成功させるカギは、強いメンタルにありました。
「頑張らない」が、強いメンタルを養う
「メンタルは工夫しだいで鍛えられる」ことを学んだのは、英語再チャレンジで得た収穫でした。ポイントは「頑張らない」こと。「やること」よりも「やらないこと」を定めると、迷いや不安が消えてモチベーションを維持することができました。
やらないこと(1)1回で覚えようとしない
脳のピーク年齢は20歳くらいだと言われていますから、われわれ中高年が「何回やっても覚えられない」のは当たり前。ピークを過ぎたベテランの脳と上手に付き合うしかありません。「忘れて当たり前」をベースに、学習方法を見直しましょう。
私は、「忘れる」ことを前提に、「繰り返して覚える」方法を選びました。最初から同じ問題を「5回繰り返す」と決めて臨めば、1回や2回で覚えられなくてもショックはありません。
「5回繰り返して覚えればいいや!」とゆったり構えたとたん、落ち込んだり、自分を責めたりといったマイナス思考が消えて、ポジティブな気持ちをキープできました。
やらないこと(2) 答え合わせで「正解」しても喜ばない
以前の私は、答え合わせをしては「正解」「不正解」に一喜一憂して、「不正解」が続くとガクッと落ちこんでいました。
ところがある時、正解よりも不正解のほうが記憶に残っていて、次に同じ問題を解いた時や、似たような類題に出会った時に正解できる確率が高いことに気がつきました。不正解の問題ほど一たん立ち止まって、「なぜ不正解か」が納得できるまで解説を読んでいたからです。
そこで、思いきって答え合わせのルールを変えました。
ルール1 正解数を気にしない
ルール2「不正解」したらラッキーだと考える
答え合わせをする時は、正解数に執着しないで解説を読むように心がけましょう。正解か不正解かの理屈がいったん理解できたら、同じパターンの問題を確実に解答できるようになります。
「問題集は解説を読むためのもの」。そう気持ちを切り替えたら気持ちがグンとラクになって、どんなに不正解が続いても自己嫌悪に陥ることはありませんでした。
サボってもいいんです!
やらないこと(3)他人と比べない
じつは、コレが一番難しいのですが、英語のやり直しを決意したら絶対に他人と比較しないことです。大学受験と違って、英語を学ぶ目的も方法も、そして学ぶスピードも人それぞれなのですから、他人と比べてもなんの意味もありません。
私は意志が弱い人ほどグループ学習は逆効果だと思っています。人と接するとそれだけ「比べる対象」が増え、仲間に会うたびにさまざまな「雑音」が耳に入ってきます。それだけで、学習のペースを乱されます。それが焦ったり、落ち込んだりする原因になるからです。
みなさんも、スクールに通って「仲間と一緒に励まし合う」つもりが、「迷い」と「焦り」を招いていませんか?
「独り」で学習するほうが「雑音」に振り回されない。そう気づいた後は、「独学」を貫きました。
やらないこと(4)サボりたくなったら無理をしない
「仕事も忙しいのに英語の勉強なんて...... サボりたくなったりしないの?」と、よく聞かれます。
はい、その通り! しょっちゅうサボりたくなります。そんな時は無理をしません。「サボりたい時はサボる」がモチベーションを維持するコツです。
サボりたい時に無理しても学習の効果は上がりません。意志が弱い自分を責めるのもムダ。さっさと休んで気分転換をすることです。
私は、サボりたくなった時ほど、自分にご褒美をあげる作戦にしました。サボりたくなるまで頑張った自分を慰労するのです。
ご褒美といってもたいしたものではありません。勉強するはずの「朝カフェ」で雑誌を読んだり、朝寝坊や二度寝をしたり、おいしいものを食べに行く。そんな程度のことです。 それでも、「英語をやらなくちゃ」という義務感から解放されて、心地よい開放感を味わうことができます。頑張るだけでは強いメンタルは養えません。自分をコントロールしながら適度にリフレッシュすることが大事です。(井津川倫子)
今週のニュースな英語
~ 世界で一番結婚したい男、英国ハリー王子ついに婚約! ~
The world's most eligible bachelors.(世界で一番結婚したい独身男性)と称されていた英国のハリー王子(33)が、ついに恋人の米女優メガン・マークル氏(36)との婚約を発表しました。
11月初めに密かに婚約し、2018年5月に挙式を予定しているそうです。 ハリー王子とマークル氏のラブラブ会見をネットで見ましたが、まあ、こちらが赤面するほどの熱々ぶり。ハリー王子は出会った瞬間に恋に落ちたことを、次のように表現していました。
Stars were aligned when I met Meghan.
メガンと出会った瞬間、星が輝いたんだ!
「align」は「整列させる」「一直線にする」といった意味の動詞で、直訳すると「星が一列に並んでいた」となります。「収まるところに収まった=運命の出会いだった」というニュアンスも含んでいるようです。
優等生の兄ウイリアム王子と比べて何かとお騒がせだったハリー王子ですが、最近は負傷兵たちの競技大会を開催するなど、チャリティー活動に熱心に取り組んでいます。同じく社会活動に熱心なマークル氏の影響かもしれないですね。お幸せに!