その33 都会のカラス 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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大阪はカラスに食料を漁る時間を与えない!

   では、東京以外はどうかと言うと、大阪はカラスが少ないと聞く。これは大阪ではゴミ袋の収集時間が早いためとのこと。カラスに食料漁りの時間を与えないのだ。

   ところが、東京では夜が明けてからゴミ袋を収集するので、カラスにとってはまことに好都合だ。飲食店の営業時間との関係もあるのだろうか。

   さらに、海外の都市はどうなのか。これも松原博士によると、米国では生ゴミは家庭で粉砕して下水に流してしまうから、そもそもカラスが漁れない。

   街角にある巨大な鉄製のゴミ箱もカラスには歯が立たない。欧州でも同様のゴミ箱が歩道に設けられていることが多い。日本の都会はどうもカラスに優しいようだ。

   ここまでカラスの悪口ばかりを書いてきたが、東京の早朝の飲食店街ではカラスと並んでハトも目立つ。同じようにゴミ袋を漁っているのだ。そして、カラスよりも厚かましい。近づくと、カラスはさっと逃げるが、ハトはどこ吹く風である。

   童謡の歌詞じゃないけれど、カラスは「七つの子」がいる山に戻っていてほしい。ハトも神社や寺の境内で遊んでいてほしい。都会の飲食店街ではお目にかかりたくはない。(岩城元)

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岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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