味方を増やして、自分が壊れないようにする
課長は、ますます不安そうな表情になった。
「あなたの仕事のやり方ではだれも付いてきません」
私は、一気に日ごろ思っていることをほとばしるように吐き出した。部下の指導の仕方、仕事の指示の仕方など、思う存分言い切った。
課長は、驚き、「すまなかった」と言った。
その場は、それで終わった。しかし、課長は変わらなかった。あの場面で、私の勢いに押されて謝っただけだった。
しかし、私が変わった。その日から、課長の指示がおかしかったら、おかしいと言った。部下を叱りだしたら、止めさせた。私は課長と戦った......
課長は人事評価で私に最低点をつけたが、副支店長や支店長が私の味方になった。課長がつけた人事評価点は訂正させられた。
副支店長は、課長に「人事評価は部下を評価するものではない。自分が評価されているのだ」と言ったそうだ。
課長は、課員からの支持を失い、失意のうちに転勤していった。
これが私の経験の顛末です。
どうしようもない上司に仕えた時は、自分が壊れないようにするしかない。
私は、たまたま副支店長や支店長が味方になってくれたから、課長と戦うことができたが、なかなかそうはいかない。
しかし味方を増やすことは重要だ。味方がいれば、あなたもバカな上司と戦うことができるだろう。
とにかく自分を守って欲しい。それが第一だ。バカな上司から身を守るのもサラリーマンの処世術だから。(江上剛)