「闇金ウシジマくん」(小学館)という漫画が大好きで、よく読んでいる。 違法な取り立てを行うヤミ金業者「カウカウファイナンス」の社長、「ウシジマくん」が主人公の人間ドラマで、コミックは累計1200万部の大ヒットを記録している。映画化やドラマ化もされた名作だ。この漫画から学んだことはたくさんあるが、なかでも私が日々、実践しているのは「1万円札の扱い方」である。
諭吉は頭を下にして入れろ!
「ウシジマくん」では、主人公のウシジマが、従業員のマサル(ヤンキー上がりのちょっと生意気な若者)に、お金の取り扱い方を教えるシーンがある。お客から回収した1万円札を、雑に財布へ入れようとするマサルに、ウシジマくんが「諭吉は頭を下にして入れろ」と、叱責するのだ。
なぜ、福沢諭吉の「頭を下」にして入れるのかというと、大金である諭吉が「逃げない」ようにするためらしい。お金を大事に扱い、お金が逃げないように、貯まるようにと願掛けするようなものだろうか。義理堅いウシジマくんのことだから、お金に対しても敬意を表しているのかもしれない。
ジンクスや願掛けをあまり信じない私は、当初「ふ~ん、そういう考え方もあるのか」くらいの感想しか持たなかった。しかし、何かのきっかけで「真似してみようかな」と思い、いざやってみると、これがけっこう気持ちいい。
最初こそ、高貴な(?)諭吉様を財布に「逆立ち状態」で詰め込むことに申し訳なさを感じたが、そのうち「お、今日はキレイに入れられたな」とか、「よく見るとこのお札、ピン札じゃないか、嬉しいなぁ」など、福沢諭吉に触れるたびにいろんなことを思い、丁寧に扱うようになったのだ!
貯金のスピードもアップした気がする
私は常に、財布に3万円は入れておく主義である。なにかあった際、実家に帰るのに新幹線で1万5000円かかるので、その分と、これも何かあったときのために、1泊分のホテル代を入れている。
つまり、お財布の中では、常に3人の福沢諭吉がそろって逆立ちで整列している状態。その様子を見ていると、「こんなに綺麗に整列してもらっているのだから、お金は大事にしなきゃなぁ」と思うのだ。
ムダ遣いをしては、逆立ちしている諭吉様に失礼かもしれない。そう思うと、1万札を崩すのにも慎重になる。崩した5000円札の樋口一葉や、1000円札の野口英世にも「逆立ち」してもらうと、すべてのお金に「申し訳ない」という気持ちになり、なぜかやたら丁寧に扱うようになったのだ。お札を揃えて、逆立ちさせるだけで、この効果。なかなかいいではないか。
......と思ったが、私は普段の決済をほとんどクレジットカードで行っているので、実際はあまり意味がないのかもしれない。でも、精神的には「お金を大事にしよう」と思えていることで、心なしか、貯蓄のスピードが早くなった気さえするのだ。自信を持ってオススメできる習慣である。
皆さんもぜひ、「諭吉の逆立ち収納」やってみて下さい。(北条かや)