「無知の知」わかります? 聞く耳持たない「独裁」社長が会社をダメにする(大関暁夫)

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社長は「自分の無知を自覚すること」からはじめよ!

   そうだとしたら、経営者はどのような意識をもって社員と接し、A、B、C領域のバランスをとったら良いのでしょうか。これに関してNさんが提示したヒントは、「無知の知」でした。

   ご存じ「『知らない』ということを自覚することが真理に至る最善の道である」とする、ギリシアの哲学者ソクラテスの考え方です。

   「経営者が自分の無知をさらけ出すことはプライドが許さないという側面があろうことは否定しませんが、あえて経営者が自身は万能ではなく、自分の無知を自覚することが会社も経営者としての自分も成長するために必要なことなのだ、と理解してほしいわけなのです。

   特に社員が知っていて自分が知らないことが存在することを認識し、それを知りたいと思うことがバランスのとれた組織内コミュニケーションをつくり、最終的には社員の成長や企業の発展につながるのです」

   なんとも目から鱗のお話でした。

   「うちの社員は意識が低い」と、Aの「社長も社員も知っていること」の領域の小ささをお嘆きの中小企業経営者は世に多いのですが、まずはC領域の「社員は知っているが社長は知らないこと」の存在を意識し、それを知ろうとすることから始めてみるのがいいのかもしれない、と思った次第です。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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