工学院大学のソーラーチームが、オーストラリアで行われた世界的なレース「2017 ブリヂストン ワールドソーラーチャレンジ」(2017年10月8~15日)で、3021キロメートルを走破。7位入賞を果たした。
このレースには全43チームが参加したものの、オーストラリアを縦断する全長3021キロメートルというという厳しい環境や悪天候が影響し、完走できたのは17チームだけだった。
設計から運転まで 学生の力で乗り切った!
工学院大学がこのレースに参加するのは3回目。2015年大会では実用性を重視したクルーザークラスで準優勝した実績がある。今回参加したのは速度を重視したチャレンジャークラスで、学生のアイディアを取り入れつつ、50のサポート企業から素材や技術提供を受けて造り上げた新車両「Wing」で挑んだ。
2017年11月9日に開いた参戦報告会では、試合の様子などをサポート企業らに報告。レース参戦前の試走でマシンが横転、破損し、参加が危ぶまれたものの、日本に残った下級生が破損部分の部品を造り直し、現地に送り届けて無事に修復できたことなどの「秘話」が明かされた。
そのほかにも、ドライバーやメンテナンス、キャンプ、メディア対応など、すべて学生主体で取り組んだという。
そうして臨んだレースでは、チャレンジャークラス11位でスタート。初日のうちに6位まで順位を上げたが、その後は暴風雨や悪天候に見舞われてトップ集団から離された。しかし、多くのチームが脱落していく中で完走。スタートから6日目に7位でゴールした。
学生キャプテンの中川拓朗さん(大学院 修士課程 機械工学専攻2 年)は、
「世界大会に向け、メンバーと共に泥臭く、無我夢中で作業に取り組んできました。このメンバーでなければ3021キロメートルを完走することはできなかったと思います」
と振り返った。
また、監督を務める濱根洋人准教授(工学部 機械システム工学科)は、
「悪天候のために途中数回はバッテリーゼロの状況で、太陽パネルのみで走行する場面もあり、改めて自然エネルギーの厳しさを実感しました。学生たちが目の前の課題を1つずつ解決し、最後までやり遂げてくれたことを誇りに思います」
とコメント。数々の応援に、感謝の言葉を述べている。
なお、このレースには東海大学、名古屋工業大学、呉港高校(広島)が参戦。東海大学が4位に入賞している。