欠陥エアバッグ問題をきっかけに、2017年6月に経営破たんした自動車部品大手のタカタへの取引先や金融機関、ファンドなどが届け出た債権額の合計が、35兆8393億円にまで膨らんだ。その理由について、東京商工リサーチが11月16日に公表。あまりの巨額に、「衝撃が広がっている」という。
届出通貨別で最も多かったのは、米ドル建ての30兆4620億円(2688億円)と突出。次いで、日本円建てが3兆7678億円だった。このうち、タカタが認めた金額は1兆792億円で、届出債権の3.0%にとどまった。
タカタが認めた最大の債権者はトヨタ
タカタが東京地裁へ提出した再生債権認否書によると、エアバッグの異常破裂による事故に関連するとみられる損害賠償請求として6兆7980億円(600億ドル)が海外所在の代理人(弁護士)を通じて複数届出されている。
タカタは「債権不存在」を理由に全額を否認しているが、東京商工リサーチは「製品が海外で不具合を起こした場合、巨額の損害賠償請求のリスクが降りかかる可能性があることをまざまざと見せつけた」と分析している。
一方、35兆8393億円の届出債権のうち、国内法人で届出額が最も多かったのはトヨタ自動車の8926億円だった。次いで、日産自動車の7291億円、ホンダの4131億円、SUBARUの2495億円、マツダの2011億円、三菱自動車の1502億円と、自動車メーカーが並んでいる。米国も963億円を債権として届け出ている。
このうち、タカタが債権を認めた金額で最も多かったのはトヨタの3312億円。次いで、ホンダの2397億円、マツダ1311億円、米国の963億円と続く。 届出債権額と認められた金額の「認可率」はトヨタが37.1%、ホンダが58.0%、マツダは65.2%、米国は100%だった。